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一般質問 高村直也議員 (6月18日)

 

【概要】コロナと障碍者の生活・人権

 

◯高村直也議員

日本共産党の高村直也です。
障害者支援及び避難所運営に関わって、一般質問します。

新型コロナウイルス感染症の影響が広がる、かつてない、経験をしたことがない事態の下、障害者の基本的人権と自由を保障し、差別や排除のない社会をつくるためには、より一層の支援が求められます。一人で日常生活を送ることがままならない方では、その感染を防ぐ対策に大変な苦労を強いられることになります。また、障害者の中には、感染リスクが高いとされる基礎疾患を持った方も多いため、徹底した感染症対策が求められます。視覚障害者は、触覚で情報を得るために、物に触らざるを得ず、感染防止に大変気を使います。精神障害者の方では、「自分は新型コロナウイルスに感染しているのではないか」という恐怖に駆られるなど、生活にこれまでにない困難が生じています。
マスクや消毒用アルコールなど、衛生用品は十分な確保ができないまま推移してきました。これまで、一枚の使い捨てマスクを3日間使用する、マスクを持参させるといった対応で不足分をカバーしてきたという施設も少なくありませんでした。現在も、第2波の感染拡大が懸念される中、十分な衛生用品の備蓄があるとは言えない状況です。
食品を扱う就労支援施設を運営するある法人では、食の安全への信用が大切だということで、毎日、約100名の利用者全員に使い捨てマスクの配付を行っているということです。また、「マスクの高騰が大きな負担になっている、介護、障害者施設向けに優先販売されたマスクでさえ、50枚3000円になっている、国からの購入補助1万円はすぐ使い切ってしまった」という声も聞かれました。今月の市によるマスク配布は、一事業所当たり250枚から500枚となっています。今後は、第2波、第3波も想定し、マスクだけでなく、手袋、ガウン、消毒用アルコールなど、衛生、防護用品を継続的に確保する必要があります。それらを施設任せにせず、市としてもどう継続的に確保し、どういうルートで届けるのか、御所見を伺います。

今や、新型コロナウイルス対策で欠かすことができないマスクですが、聴覚障害者にとっては、手話の文法の一つである表情を隠してしまうことから、コミュニケーションの妨げとなっています。手話では、手の動きが同じでも、表情によって意味が変わってしまいます。医療施設の中ではマスクの着用が求められるために、診察の際には意思疎通が困難になります。また、聴覚障害者にとっての手話は、コミュニティーと文化を保障するものでもあり、それが断たれてしまうことは重大です。その対策として、顎の動きがはっきりと見え、意味がよく伝わる透明フィルムでできたマスクを使用するのがよいと、当事者の方からお聞きしました。言葉を伝え、笑顔も見える透明マスクへの補助、また、聴覚障害者協会などに所属していない聴覚障害者の方への情報提供をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

また、聴覚障害者の方に新型コロナウイルス感染の疑いがある場合には、感染リスクがあるため、通訳者に同行してもらうことも困難となります。兵庫県加西市では、タブレット端末を2台用意して、1台を医療機関、もう1台を手話通訳者に届けて、医療施設の中で遠隔から手話通訳を受けることができる仕組みを導入しています。こうしたタブレット端末による手話通訳を医療機関で実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

市の入所施設、居住系サービス運営法人に向けたリーフレットでは、「感染が確認された場合は原則として入院することとなりますが、その時点の医療体制によっては一時的に施設内で過ごしていただく期間が発生することが想定されます。空き部屋の利用など、可能な方法を検討しておいてください」とあります。しかし、トイレや風呂などを共有するグループホームで隔離したスペースと動線をつくることは困難です。クラスターの発生を予防する観点から、スペースの確保やゾーニングを施設任せにしないとともに、それが難しいなら、施設外に安心して過ごせる別の場所を提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。

障害者就労支援施設では、コロナ禍による大幅な減収となったケースがあります。感染防止の観点から、利用者が通所を控えた場合に、職員が訪問や電話などにより、できる限りの支援を実施すれば、報酬の対象とする特別措置が講じられています。しかし、利用者が百名を超えるような法人では、一人ひとりに訪問や電話をかけるのは大変です。ある法人では、ゴールデンウイークの営業日に当たる4月30日及び5月1日の2日間、感染防止の観点から活動を自粛し、利用者も職員も休業を取る措置を講じました。この際に、利用者1人1日当たりの報酬が7000円から7500円であり、約100名の利用者がいるため、140万円から150万円もの減収となりました。様々な特例措置を講じても、日払いで報酬を決める仕組みでは柔軟な対応ができないということを明らかにする事例と言えます。報酬は日払いではなく、利用日数にかかわらず、一定額を月単位で払う「月払い制」に戻すとともに、加算中心の体系から改め、基本報酬を抜本的に引き上げることが求められると考えますが、いかがでしょうか。
また、市独自の施策として、感染防止の観点で休業した施設に対し、減収補填を講じてはいかがでしょうか、伺います。

就労継続支援では、利用者の工賃及び賃金が減少しています。報酬を工賃や賃金の支払いに充てる特別措置が設けられましたが、そうした穴埋めを行っても事業収入が枯渇する中、工賃を時給750円から250円にまで大幅に下げざるを得なかったというお話も聞いています。1か月で1万円にもならない工賃では、労働意欲もそがれ、障害者の人権と生活の質に関わる重大な問題です。
京都市では、新型コロナウイルスの影響で数か月にわたって十分な生産活動収入が得られないと見込まれる場合に、昨年10月から12月の平均額を参考に工賃を補填する独自支援を決めました。仙台市でも独自の工賃支援を求めますが、いかがでしょうか、伺います。

区役所の屋内などで行われてきた「ふれあい製品展示販売会」及び屋外イベントである「ふれあい製品フェア」が中止になっています。その代替策として、障害企画課が企画し、パンフも作成し、市職員向けにお勧め商品を紹介し、注文、配達につなぐ、「ふれあいデリバリー」が行われています。今後、新しい生活様式の下で、「ふれあいデリバリー」を継続するとともに、市役所以外にも新たな販路の拡大を後押しすべきと考えますが、いかがでしょうか。

仙台市の障害者手帳には、英語の表記がありません。障害者手帳は、障害者にとって身分証明であるだけでなく、アイデンティティーを示すもので、障害者が国内外での国際的な交流を進める上で英語を表記することは有意義です。現在、英語で障害者であることを示す必要がある場合には、市は希望者にA四の用紙で証明書を発行していると聞いていますが、利便性の点では難があります。
昨年4月から、障害者手帳のカード化が解禁となり、厚生労働省は、「発行主体となる自治体はカード化に向けた検討を積極的に行ってほしい」と呼びかけています。これを受けて、仙台市でも障害者手帳のカード化に向けた検討を進めていると聞いています。カード化に合わせて、英語表記を入れるよう検討を進めることを求めますが、いかがでしょうか。

コロナ禍の下、障害者施策の不十分さが浮き彫りになっています。今年は、障害者自立支援法が憲法に違反すると訴えた裁判で、訴訟団と国が和解し、「基本合意」を結んでからちょうど10年の節目となります。基本合意は、応益負担制度の廃止など、制度の抜本的な見直しを求めるとともに、障害者自立支援法が障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことを心から反省すると明記しました。現在の障害者総合支援法は、本来廃止されるはずだった自立支援法を名前だけ変えて存続させたものにすぎません。今こそ基本合意に基づき、障害者の基本的人権の行使を支援する取組が必要だと考えますが、御所見を伺います。

続いて、コロナ禍の中で、台風や豪雨など、災害が多発する季節を迎えた下で、避難所運営の在り方についてお聞きします。
昨年は、8月に九州豪雨、9月に令和元年房総半島台風、10月には令和元年東日本台風によって大災害が相次ぎました。今後は、地球温暖化の影響でこうした大型台風が頻発することが予想されます。加えて、コロナ禍との闘いが長期化する下で、新型コロナウイルスと自然災害の複合災害への備えが緊急に求められます。新型コロナウイルス対策の基本は3密を避けることですが、自然災害から身を守るための避難所にたくさんの人が訪れた場合、避難所がクラスターの発生源となりかねません。そこで、コロナ禍の下での避難所の在り方について質問します。
まず、避難所においてもソーシャルディスタンスを確保することが求められます。市の避難所運営マニュアルへの追加事項の暫定版においては、「各世帯が間隔を空けて滞在できるよう、幅2mの通路を確保して、収容できる人数や世帯数などを検討します」とあります。
昨年の東日本台風において指定避難所となった袋原小学校には、337名、109世帯の避難者及び要員が来ました。現地で避難所運営に関わった、ある地域団体の方は、「次々にたくさんの避難者が訪れ、空き教室が埋まっていった。車椅子の方も訪れた、当日使わなかったのは視聴覚室とプレハブ教室ぐらいだ、この上さらに人と人との間隔を空けるとなると、300人で手いっぱいだ」とお話をしておりました。
この点に関わって、避難所運営マニュアルの追加事項では、「指定避難所に十分なスペースを確保できない場合には、市民センターなどの補助避難所、地域の集会所などの地区避難施設の活用も事前に協議します」としています。市民が安心して避難できる場所を提供することは、自治体の責務です。補助避難所や地区避難所を活用するというのであれば、市の責任で指定避難所と同じ位置づけにし、必要な人員も物資も配置すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

感染の拡大を防ぐためには、感染の疑いのある方への対応が重要です。市の避難所運営マニュアルの追加事項では、濃厚接触者や体調不良者の専用スペースを設け、階段やトイレも別にするなど、空間や動線がほかの避難者と交わらないように例を示しています。また、そうした感染の疑いがある人の振り分けは、避難所受付で健康カードと避難者カードなどを作成する際に行うとされています。感染を防ぐための避難所に、衛生、防護用品としてマスクや消毒用アルコールは、既に一定の備蓄は進んだと聞いていますが、感染を防ぐために様々な活用方法のあるビニールシールドについても確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、各世帯に小さな袋にまとめて排出するように呼びかけられているごみ袋など、必要な物資があれば備蓄を進められるように保管倉庫を増設するなどの対応を進めてはいかがでしょうか、併せて伺います。

新型コロナの感染を広げないためには、積極的に空気を入れ替えることが求められます。市の避難所運営マニュアルの追加事項にも、「室内の換気は常時もしくは頻繁に、(1時間に2回程度)行います」とあります。一方、原発事故が起き、放射性プルームが大気中に拡散していると考えられる場合には、外から放射性微粒子を取り込まないよう、換気をしないという真逆の対応が求められます。
内閣府が6月2日に示した方針では、原子力災害における放射能に対する防護措置と新型コロナウイルス感染症などの感染症対策を「可能な限り両立」させるとして、避難所における感染防止対策については、基本的に自然災害と原子力災害で異なるところはないとしています。つまり、原発事故が起きたとしても、避難所では感染症対策のために換気せよということです。
原子力災害において、放射性プルームの通過時はもちろん、その後においても外部被曝と併せて内部被曝の危険について考えなければなりません。一時移転の基準である20μ㏜/h(マイクロシーベルト/アワー)も除染の基準である0.23μ㏜/hも外部被曝についての基準です。一旦、地表に落ちた放射性物質が土に吸着されたとしても、乾燥した土ぼこりが舞えば、それを吸い込んで内部被曝となるリスクがあります。避難所には汚染した土などを持ち込ませない対策が徹底されなくてはなりません。換気のために窓を開け放つことは、大変危険なことです。新型コロナウイルスと原発事故の複合災害では、それぞれの対策を両立することはできず、感染と被曝のいずれかのリスクを被ることが避けられません。この点で、複合災害のリスクをどのように認識し、評価しているのでしょうか、伺います。

仙台市は、原発事故が発生した際に、石巻市と東松島市から合計6万4805人の避難者を受け入れることとしています。例えば加茂市民センターには、東松島市矢本地域の住民581名が避難する計画です。しかし、加茂市民センターの「利用可能面積」を市の「収容可能人員」についての基準で計算すると516名となり、既に基準を超える住民を受け入れる計画となっていることが分かります。さらに、ソーシャルディスタンスを考慮すれば、計画は成り立たなくなります。市民の避難先の確保も求められる中、こうした計画が現実的なのかどうかということも含めて再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

気候変動による相次ぐ水害やコロナ禍によって、いよいよ原発事故からの現実的な避難計画をつくることが困難であることが明らかになった下で、改めて今月25日に東北電力の株主総会が開かれます。大株主になった仙台市として、脱原発を求める一連の議案に賛成することを最後に求め、伺って、第一問とさせていただきます。

 

◯市長(郡和子)

ただいまの高村直也議員の御質問にお答えを申し上げます。

まず、就労継続支援事業所におけるふれあい製品の販路拡大についてのお尋ねにお答えいたします。
ふれあい製品の販路拡大につきましては、障害のある方の工賃の向上はもとより、当事者の皆様方の意欲や社会参加、生きがいにつながる大変重要なものでございまして、新型コロナウイルスによる経済活動への影響を踏まえ、今までになかった販路拡大に取り組むことが大切であると考えております。
本市といたしましては、例えば総社市とのコラボで生まれましたデニムマスクでは、製品の開発をはじめ、総社市や複数の事業者の共同作業によって新たな交流も生まれるなど、大きな効果を上げてきています。引き続き、新たな取組を推進して、障害のある方の自立に向けて取り組んでまいります。

次に、障害者の基本的人権の尊重に関するお尋ねでございます。
障害の有無にかかわらず、基本的人権が保障されるべきことは当然でございまして、一人一人がかけがえのない個人として、互いに違いを認め合い、尊重し合い、支え合う共生社会の前提であると認識をしております。
平成28年には、当事者の皆様方の参画を得て、障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例を制定し、各般の取組を進めているところでございます。
今後とも、障害当事者や御家族の声を大切にしながら、障害者福祉サービスの計画的整備や、先ほども申し上げましたけれども、ふれあい製品の販路拡大など、新たな取組も含めまして、誰もが個人として尊重され、生きがいを感じられる共生の都・仙台の実現に向けまして取り組んでまいる所存でございます。
私からは以上でございまして、そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。

 

◯危機管理監(木村洋二)

私からは、コロナ禍での避難所運営の在り方に関連いたしまして、まず、補助避難所や地区避難施設の活用に関する御質問についてお答えいたします。
避難所運営マニュアルにおきまして、補助避難所は指定避難所を補完する施設として、地区避難施設は地域の方々が自主運営する施設として位置づけております。
現在の指定避難所を中心とする避難所運営は、東日本大震災の経験や教訓を踏まえ、各避難所等の位置づけや運営方法を抜本的に見直し、地域、行政、施設の三者協働による地域版の避難所運営マニュアルの作成や訓練の実施を通じて、時間をかけて築き上げてきたものと認識しております。
補助避難所等の活用や運営方法につきましては、このたび作成いたしました避難所運営マニュアル別冊の新型コロナウイルス対策追加事項におきましても、現在の枠組みの基本である地域の方も含めた避難所運営委員会の中で協議をしていただくこととしております。

続きまして、避難所の備蓄につきましてでございます。
ビニールシールドでございますけれども、避難所の受付で飛沫感染を防ぐためのスクリーンや間仕切りとして使用するなど、様々な活用方法がございます。今後開催を予定しております避難所担当課を対象とした運営訓練等で検証を行った上で、備蓄について検討してまいりたいと存じます。
また、備蓄倉庫の増設についてでございますが、備蓄は、指定避難所となる小中学校などの校舎内を原則としており、保管場所を確保できない場合に限り、倉庫を設置しております。しかしながら、近年では豪雨災害が増加しており、豪雨時や倉庫付近が浸水したときには、物資を取り出すことが困難となった事例もございます。
こうしたことから、昨年度末には各学校長に、備蓄倉庫から校舎内への備蓄物資の保管替えをお願いしている状況でございまして、倉庫の増設につきましては、現在のところ考えておらないところでございます。

続きまして、複合災害のリスクに対する認識、評価についてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症流行下におきまして、万が一、原子力災害が発生した場合、被曝と感染症の双方のリスクから避難者を守る必要がございます。原子力災害の発生後に自宅等で屋内退避を行う場合には、原則換気を行わないこととなりますが、20μ㏜/hを超過する地域では、一時移転が必要となります。一時移転先は放射線量が低い地域に開設されるものですので、これまで本市が示している新型コロナウイルス対策に従って換気を行うなどの感染予防に取り組んでいただくことが可能と考えております。しかしながら、なお、状況によっては窓を閉めたまま、それ以外の感染予防対策をしっかり行っていただくなどの対処方法も考えられるところでございます。

最後に、広域避難者の受入れ計画の再検討についてお答えいたします。
本市では、石巻市と東松島市から避難者を受け入れることとしておりますが、本市内に避難者が発生していない等の一定の条件を満たす場合に受入れを行うこととしております。
広域避難計画については、宮城県が示すガイドラインに基づき、石巻市及び東松島市が策定、修正するものであり、今後、両市において新型コロナウイルス感染症の感染予防措置を取り入れるなど、再検討が必要となるものと考えられますことから、その際には両市とも協議を進め、対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯財政局長(福田洋之)

私からは、東北電力の株主総会に向けた対応に関する御質問にお答えをいたします。
本市が保有する東北電力の株式は、かつて行っておりました電気事業を国に譲渡した際、その対価として取得したものでございまして、基礎自治体としての立場からは、市民生活や経済活動に必要な電力が安定的に供給されることが重要であると認識しております。
株主総会に向けましては、こうした点を踏まえながら、提案された議案の内容を十分精査の上、適切に対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

私からは、障害のある方に対する支援についての御質問のうち、市長がお答えした御質問以外の御質問にお答えをいたします。

まず、障害福祉施設における衛生用品等確保への支援についてでございます。
障害福祉サービス事業所は、障害のある方の日々の暮らしを支えており、新型コロナウイルスの感染防止対策に努めながら事業を継続していただくことが求められますことから、衛生用品の確保は大変重要と考えてございます。
これまで本市では、備蓄していたマスクの提供や国の補助を活用した衛生用品の配布などに取り組んでまいりました。また、施設で患者が発生した際には、サージカルマスク、ガウン、フェースシールド及び手袋が国から本市に提供されることとなっておりますので、速やかに施設に提供することとしております。
再度の感染拡大といった状況も見据え、施設における衛生用品の備蓄状況の把握にも努めながら、必要な支援を検討してまいりたいと存じます。

次に、手話によるコミュニケーション時のマスクの着用についてでございます。
手話によるコミュニケーションにおきましては、顔の表情なども重要な役割を果たしており、マスクを着用することで意思が十分に伝わらないという場合もあるものと認識しております。聴覚障害者と円滑なコミュニケーションが図れるよう、本市に登録している手話通訳者などに対して透明なマスクの支給を進めますほか、市ホームページ上で聴覚障害者向けに透明マスクを紹介するなどの情報提供に取り組んでまいりたいと存じます。

次に、新型コロナウイルス感染症に感染している可能性のある聴覚障害者に対する手話通訳支援についてでございます。
聴覚障害者の方が新型コロナウイルスの感染の疑いがあると判明した際には、臨時に本市所有のタブレット端末をその方が受診する医療機関に貸し出し、その方に手話でお話しいただいて、それを手話通訳相談員がテレビ通話を通して通訳の支援をするなどの対応を検討しているところでございます。

次に、施設でのクラスター発生予防についてでございます。
入所施設やグループホームの利用者に感染が確認された場合、入院や宿泊療養施設での療養が原則となりますが、利用者の障害特性や自立度によっては入院等が難しいケースも想定されるところでございます。
そのような場合は、施設にとどまり、特性に応じた支援を受けながら療養することとなりますが、他の利用者や職員への感染拡大を防止するため、隔離するスペースの確保やゾーニングなど、施設の実情に応じて助言、指導などを行うなどの支援が必要と考えており、現在、関係者間で検討を進めているところでございます。

次に、障害福祉サービスの報酬体系についてでございます。
現在の日額での報酬体系は、事業者の努力により、利用者へのサービス向上につながるという積極的な側面はございますが、一方、精神障害者や重度心身障害者など、障害特性上、通所が安定しない利用者が多い事業所にとっては、収入が安定しなくなるといった面もございます。障害福祉サービスの事業種別によっても望ましい報酬体系は異なることも考えられますことから、引き続き事業者の御意見を伺いながら、事業者の安定的な運営と利用者のサービス向上にとって望ましい報酬体系の在り方について検討してまいりたいと存じます。

次に、障害福祉サービスの減収の補填についてでございます。
本市では、障害のある方が環境を変えず、安心して暮らすことができるよう、感染が拡大している局面においても障害者への支援を継続していただくよう、事業者へ求めてまいりました。そのため、新型コロナウイルスの感染を恐れて就労支援事業所への通所を控える利用者が、在宅での訓練や作業などの支援に切り替えた場合にも、通所時と同様の報酬算定を認めるなど、柔軟に取り扱うことで事業所が減収とならないよう対応してまいりました。そうした中で、事業者の判断で休業したことによる減収について、市独自に補填することは難しいものと考えております。

次に、就労継続支援事業所における利用者の工賃支援についてでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が縮小する中、障害者就労継続支援事業所においても販路の縮小による工賃減少が課題となっております。そのため、特例として、本来、事業所運営に充てるために国から支給される給付費を減少した工賃に補填することが認められているところでございます。
現在、感染防止策を十分に図った上で、区役所でのふれあい製品販売会など、既存事業を再開しましたほか、市役所以外にも販路を広げたふれあい製品デリバリーの継続実施などに取り組んでおります。本市といたしましては、こうした支援を通じて工賃向上につながるよう取り組んでまいります。

最後に、障害者手帳の英語表記についてでございます。
現在、身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳には英語表記はございませんが、英語翻訳を希望される方に対しては、区役所の窓口でお申出いただくことにより、手帳の内容を翻訳した証明書をお渡ししております。
手帳のカード化の後には、運転免許証と同じサイズのカードとなるため、紙の手帳と比べて記載できる情報量に制約がございます。また、英語表記のためには、障害者基本システムの改修も必要となることから、英語表記が必要な場合には、これまでと同様、証明書の活用により対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯高村直也議員

御答弁ありがとうございます。
2点、再質問いたします。

まず、市独自の就労継続支援B型施設への工賃支援についてです。
仙台市内には、6月1日時点で就労継続支援B型施設が107事業所あります。A型施設への賃金には雇用関係が生まれているので雇用調整助成金が使えますが、B型にはそうした支援がありません。
そこで、京都市では6900万円の財源と京都府からの支援5000万円で市独自の工賃支援が実現しました。京都市のB型施設は132か所ですから、仙台市とそれほど大きく変わりません。トータルで一億円程度の財源で工賃支援ができると考えられます。障害を持った方の収入を下支えするため、市独自の工賃支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

2つ目に、補助避難所と地区避難所の活用についてお聞きします。
今後、運営委員会での協議もある段階だということもあると思うんですけれども、例えば塩竈市では今月十四日に行われた防災訓練のことが地元紙で報道されていました。塩竈市の担当職員の方が距離を取って避難させると、体育館は従来の定員の6割しか収容できないと言っていたとのことです。
今後、仙台でもこうした具体的な訓練や話し合いが行われることになると思います。その中で、指定避難所だけでは十分な広さを確保できない。そのために、補助避難所や地区避難所を活用しようということになるかと思います。その際に、人員や物資が足りないという話になれば、当局としてこれを確保することをしっかり検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
以上2点です。

 

◯危機管理監(木村洋二)

補助避難所等の活用についての再質問でございますが、今やっております避難所運営につきましては、先ほども申し上げましたけれども、東日本大震災の経験を踏まえまして、なかなか大規模災害のときに仙台市の行政のほうも人的、物的な支援に限界がある。そういった教訓も踏まえて、仙台市のほうでも、条例化されましたけれども、自助、共助、公助、これらをしっかりと機能させて、減災、防災に取り組んでいこうという中で、今回のその枠組みを決めておるわけでございます。
このやり方は、先ほども言いましたけれども、震災から十年程度たって、地域でもしっかり根づいて、それぞれの避難所運営をしっかりとやっていただいているということに結びついているかと存じます。
補助避難所、それから地区避難施設、コロナ禍におきましてはどうしても広い空間が必要ですから、活用するという場面は出てくるかと思いますが、その際は、まずは地区の皆様、それから行政施設のほうでお話し合いをして、その運営の在り方ですとか、役割分担の見直しを行った上で、その運営を行っていただきたいと考えております。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

休業した事業所に対する工賃についての支援でございます。
これも重ねての御答弁になって恐縮ではございますけれども、既に国からの特例によって給付費を減少した工賃に補填するというふうな取扱いも認められているところでございます。私どもといたしましては、独自に工賃についての支援をするということではなく、ふれあい製品販売会の展開でありますとか、ふれあい製品デリバリーの継続実施でありますとか、さらには今回補正でお願いをしております生産活動再開のための整備の支援でありますとか、そのようなことを通じて事業所が生産活動を進め、工賃向上につながる取組に仙台市の支援としてつなげていく、そのような形で支援を行ってまいりたいと存じます。

 

 
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