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代表質疑 嵯峨サダ子議員 (9月11日)

 【概要】PCR検査を必要な人が


         いつでもうけられるように


嵯峨サダ子議員


日本共産党の嵯峨サダ子です。会派を代表して提案されている議案並びに市政の重要課題について質疑します。


仙台市内における新型コロナ感染症患者が連日発生しています。この冬はインフルエンザとの同時流行も懸念され、一層の感染症対策が必要です。
今議会の補正予算に、今後のコロナウイルス対策や中小企業の事業継続支援等に48億5600万円が計上されています。国の二次補正臨時交付金と県からの市町村補助金の残額をすべて活用するとしています。臨時交付金については、全国知事会が需要が交付限度額を上回り、約5000億円の不足が見込まれるとして、政府に増額を求めています。
仙台市においても、第三次臨時交付金がこれから来ると言いますが、いくら来るのかわかりません。10兆円の予備費も含めて増額を国に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。


第96号議案 補正予算(第5号)に提案されている診療所等におけるPCR検査等実施に対する補助9900万円について伺います。
これは、コールセンター等での発熱患者受け入れ情報の提供に協力する160ヶ所の診療所等がPCR検査を行った場合に、検査1件につき防疫手当と検体梱包費用として2000円、2~5件目は1000円で、1日当たり上限6000円を補助するというものです。
本市はこの冬のインフルエンザ流行に備え検査体制を拡充するため、医師会と行政検査の集合契約を結びました。委託契約を結ぶ医療機関が増えれば、地域の身近な診療所でPCR検査を受けられるようになります。検査できる医療機関が増えた場合にはコールセンターでの情報提供に協力する診療所だけでなく、検査を行った医療機関には防疫手当と検体梱包費用を補助する必要があるのではないでしょうか。
コールセンターでの情報提供に協力している診療所は、初診の発熱患者が受信するリスクを引き受け、万全の態勢で受け入れていただいていることと思います。そこへのインセンティブが必要との認識は理解しますが、かかりつけ医も含めて、地域の医療機関の検査体制を拡充していくためには、補助の対象は広げるべきです。発熱患者診療へのインセンティブとしては、上限をなくし、検査件数に応じた補助を行うことで可能だと考えますが、いかがでしょうか。


厚労省は9月4日、次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について、との通知を出し、10月中をめどに取り組むことを求めています。通知の内容は、発熱などの症状がある人の相談・受診の流れを大きく転換するものです。
これまでは症状等から感染が疑われる人は、まずは帰国者・接触者相談センターに電話で相談したうえで帰国者・接触者外来等を受信することになっていましたが、インフルエンザ流行により発熱等の症状のある患者が多数となることを想定し、帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等に相談・受診し、検査を受けられるようにしていくというものです。そのために帰国者・接触者相談センターは「受診・相談センター」に名称を改め、かかりつけ医がいないなど相談に迷う人はこちらに電話し、かかりつけ医がいる人はまずかかりつけ医に電話で相談するという流れに変わります。本市ではすでに、コールセンターにおいて発熱患者の受け入れ診療所の情報提供を行い、また、医師会との集合契約で検査ができる地域の医療機関の確保を進めていることから、厚労省の通知の内容を先んじている面があります。
一方、厚労省の通知には大きな課題もあります。通知の通りになれば、動線を確保することが困難な場合など、発熱患者の受け入れができない医療機関であってもかかりつけ医であれば患者からの相談が寄せられることになります。
通知ではその場合、他の診療・検査可能な医療機関を案内すること、そのために地域の医療機関の間で、診療・検査医療機関の対応時間帯を随時共有することを求めています。しかし、日々の休診や診療時間帯の変更なども含め、常に地域の医療機関で情報を共有することや、その情報提供を医療機関が患者に対して行うのは現実的には非常に難しいと考えます。通知では、PCR検査センターを設置している場合には、検査センターの連携先医療機関として登録して、検査センターへ患者を案内する流れとすることも検討するとしていますが、残念ながら本市にはPCR検査センターはありません。これまでも議論してきましたが、発熱患者がたらい回しになることのないよう受け皿が必要です。帰国者・接触者外来が役割を終えることを踏まえれば、そうした窓口をPCR検査センターとして存続させ、必要な方が確実に検査を受けられるよう体制を作るべきですが、いかがでしょうか。


保険適用になるPCR検査に係る自己負担分については、国2分の1、自治体2分の1負担になっています。衛生研究所の検査用試薬及び防護衣等の購入費についても同様の負担割合です。国は第三次交付金で算定するとしていますが、地方負担分を全額保証されるかどうか不透明です。検査に係る自治体負担はなくし、10分の10にするよう国に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。


PCR検査の拡充が求められています。先日、東京在住の20代の学生が仙台市内の実家に車で帰宅する途中、医療機関に立ち寄り自由診療で検査を受けたところ、感染が確認されました。検査後は実家に向かわず、市内の宿泊療養施設に入所しました。感染拡大防止に寄与する大事なあり方です。これまでの感染者の中に、東京など県外を含む地域への往来があった方は約15%ありました。こうした感染防止策をスタンダードにしていく必要があります。例えば出張や帰省などで県外から戻る市民に対して、自己負担なしで検査を行うなど、個人の意識や負担に頼るのではない仕組みを仙台方式として導入することを提案します。経済活動と両立させるためにも有効だと考えますが、いかがでしょうか。


また、要介護状態にある感染リスクの高い方への感染防止策が必要です。新たに高齢者・障害者施設に入所する方にも市がPCR検査を行って、施設での感染拡大を防ぐことを求めますが、いかがでしょうか。


感染拡大のなかでの救急隊員の出勤には大変な苦労が伴うものと考えます。隊員が発熱患者の搬送を行ったときや、コロナ疑いの患者搬送を行った際に、家族に移さないとか、職場で感染拡大させないかと、不安を抱きながら業務にあたっているのではないでしょうか。実際に、搬送患者のうちコロナ感染が確認された方がいました。最低でも、その患者の搬送に従事した隊員にはPCR検査が必要だと考えますが、いかがでしょうか。


市内の医療機関はコロナの影響で受診控えが生じ、医業収入が大幅に減っています。全国の医療機関が国に医業収入の損失補填を求めていますが、いまだ応えていません。宮城県保険医協会は、第2回目の「新型コロナ感染症に関するアンケート調査」を実施しました。集計の結果、93.0%の医療機関が前年同月比で外来患者が減少していることが明らかになりました。深刻さは増しています。経営困難な状況が続き、閉院や休業、従業員を解雇する医療機関が続出してしまっては本末転倒です。当協会は県と仙台市に対し、物的・経済的支援を求めて要望書を出しています。地域医療を守るために医療機関の医療従事者を支える必要があります。市として、これらの方々に慰労金を出すべきです。国に先んじて行ったり、上乗せしている自治体があります。国が出しているからと言って、市がやらないということにはなりません。いかがでしょうか、伺います。


仙台市立病院は日々コロナの入院患者の治療にあたっています。奥田病院長が朝日新聞のインタビューを受け、「コロナに備えるため、常にベッドを空けている。周囲の診療所では受診控えが進み、その分、市立病院への紹介が減っている。3月から6月までで、4億7700万円の減収になった。5月からコロナの診療報酬が3倍に引き上げられたが、減収分には程遠い状況。行政に財政支援をお願いしたい」と述べていました。
医療従事者は院内感染をうまないようにと、長期間緊張の状態にあります。人員不足の中、感染リスクと闘いながらの業務は相当の労力と精神的負担がかかっているものと推察します。自治体病院としての役割を果たす上で、行政の支援はかかせません。市として、市立病院に財政支援をすべきです。伺います。


「新型コロナ感染症対応検証結果報告書」では「保健所が繁忙を極めた」「圧倒的にマンパワーが不足した」と書かれています。5月の残業時間が150時間を超え、昼夜を分かたず懸命にコロナに向き合った職員の努力があって何とか感染拡大を抑え込んできたのではないでしょうか。保健所体制の抜本的強化は急務です。
ある政令市の検証結果報告書では保健所のリアルな現状が綴られています。「精神的疫学調査に携わる保健師は、通常の患者支援に加え、公表の可否についても患者や関係者と何度も調整を行わなければならなかった。感染により体調が悪く、ショックを受けている患者に公表を迫り、さらに精神的負担を強いる状況は、保健師と患者との信頼関係の構築を困難なものとし、その後の患者支援活動に大きな支障が出た。中には聞き取りや公表同意に対し、感情をあらわにする患者もおられ、保健師の精神的負担は大きかった。」
また、「公表した内容に対する市民からの問い合わせも多く寄せられた。「患者はどの電車に乗っていたのか。分かればその電車は使わないようにする」「なんで言えないのか、感染したら役所は責任を取るのか」など公表できないことや公表する必要性がないことを何度伝えても納得してもらえず、1件の問い合わせに長時間を要するケースも見られ、対応に当たる職員の疲労感は大きかった。」と記されています。
仙台市の検証結果報告書はここまでの記述はありませんが、同様の状況ではないでしょうか。市の保健所はクラスター発生時に、濃厚接触者だけでなく、独自に検査の対象範囲を広げ、感染拡大を抑え込んでいます。これはひとえに患者との信頼関係をつくりながら積極的疫学調査として丹念に聞き取りを行った保健師の努力によるものです。こうした保健所の役割と機能について、市長はどう評価しているのか伺います。また、市民に対し、保健所の役割を知らせ、感染拡大防止への理解を広げるべきです。あわせて伺います。


昨日の本会議でも質疑がありましたが、インフルエンザとコロナとの同時流行が懸念される中、インフルエンザ対策が求められています。大和町は10月1日から、学校や幼稚園、保育所でのインフルエンザの感染拡大を防ごうと、6カ月~15歳までの子どもを対象に予防接種費用1500円の助成を始めるとの報道がありました。大事な取り組みです。本市においても、インフルエンザ予防接種費用の助成を実施すべきです。いかがでしょうか。


石巻市は特別定額給付金の対象外だった新生児に対し、臨時交付金で10万円給付します。来年4月1日までに生まれた子どもが対象です。角田市は当初5万円としていた臨時特別出産給付金を5万円追加して10万円にする補正予算を9月議会に提案したそうです。仙台市では先の第2回臨時会で新生児臨時特別給付金5万円をめぐり、多くの会派から10万円給付をとの発言が相次ぎました。仙台市では4億円もあればできます。角田市のようなやり方ができるのではないでしょうか。伺います。


同様に先の臨時会で議決したもので制度の改善が求められているのが児童福祉施設職員への慰労金です。
本制度は、国が慰労金支給の対象としていない児童施設の職員に対して、臨時交付金を活用し、市独自で慰労金を支給するものです。医療従事者、介護・障害サービス事業所職員等に対する国の慰労金の事業を踏まえ、対象は今年の2月21日から6月30日までの期間において10日以上勤務した者となっています。しかし問題なのは、児童福祉施設職員の慰労金だけがなぜか、対象の期間に勤務し、かつ9月1日時点で児童福祉施設に在職している者のみを対象にしている点です。9月1日時点の在籍を要件にしたことで、体調を崩し、7月いっぱいで退職した保育士の方や、3月末で雇い止めにあい、離職せざるを得なかった児童クラブ職員の方などから「感染拡大の時期や、突然の学校の臨時休業など混乱の中でも懸命に支援にあたり、勤務した期間では要件に当てはまるのに、慰労金が受け取れないのはおかしい」との声が寄せられています。ご当局にも、矛盾を訴える声が数多く寄せられていると思いますが、実態をどのように把握されているのでしょうか、伺います。


国の慰労金では規定していない9月1日時点の在籍を要件にしたことについて、7月の健康福祉委員会では複数の委員から指摘がありました。子供未来局は「慰労ということに加えて、これからも現場で頑張ってほしいという意図も込めて9月1日にした」と説明しています。しかし、本人は働き続けたいと思っていても雇い止めによって退職を余儀なくされた場合もあり、9月1日の在籍を要件にする意味は失われています。
本市と同様に児童福祉施設の職員に慰労金を支給している札幌市ではホームページに太字で『退職された方も対象になります』と案内しています。本市においても、勤務した期間の要件に該当する方には等しく支給すべきです。いかがでしょうか。


少人数学級の実現は学校のコロナ対策のために重要です。この間、少人数学級をめぐる動きが大きく変化しています。全国知事会・市長会・町村会の3会長が政府に「少人数編成を可能とする教員の確保」を要請。全国の小・中・高・特別支援学校の校長会の会長も文部科学相に少人数学級を要請しました。
また7月に閣議決定された経済財政諮問会議や、8月の中央教育審議会特別部会の「骨子案」でも少人数学級に言及しました。さらに、8月25日に開かれた政府の教育再生実行会議後の会見で萩生田文科相は「できることから速やかに行っていきたい」と述べ、少人数学級を来年度から段階的に進めるため、必要な予算要求を行う考えを明らかにしました。
少人数学級の実現はもはや避けて通れません。本市において、学びを保障し、感染拡大防止のために、ただちに20人程度の学級編成となるよう検討・準備に入るべきです。国待ちにならず、まずは来年度、小学校3年生を35人以下学級とし、順次対象学年を拡大し、1クラスの人数が20人となるまでの計画をつくって着手することを求めますが、いかがでしょうか、伺います。


補正予算に給食センター及び単独調理校賄材料費の追加が計上されています。コロナの感染拡大によって需要の減少にある宮城県産牛肉の消費を拡大するため、国の補助金を活用し、学校給食に県産牛肉を提供するものです。市はこれまで給食の食材は保護者負担とかたくなに言い続けてきましたが、今回給食食材に公費が入ることになり、もはやその理論は通用しません。これまでも求めてきましたが、給食費の値上げはやめて、段階的に無償化へ進むべきです。もう、食材費は保護者負担とは言えないはずですので、市民が納得できるご答弁をお願いします。いかがでしょうか。


緊急経済対策(第5弾)に関して伺います。新規事業として、感染防止対策に取り組む事業者に対し、奨励金を支給する事業費7億8400万円が計上されています。対象業種が幅広く、他の補助金では対象にならないマスクや消毒液などの消耗品も対象になります。3月~7月の売上が20%以上減少した施設が業種別ガイドラインに基づき感染防止対策を実施した場合、1施設あたり10万円(1事業所あたり最大50万円)を支給するものです。市の想定する対象は2万3000としていますが、今回の補正予算では、7200施設分しか組んでいません。奨励金の支給は財政局と調整の結果、予算の範囲内で行うということですが、感染防止が目的なわけですから、上限を設けずに支給すべきです。いかがでしょうか。


市の地域産業支援金は2~6月までの売上が50%以上減少した事業者を対象にし、7月で締め切られました。しかし、7月以降、七夕やお盆の売上が大幅に減少したことや、秋以降のイベントの減少で売上が減る事業者がたくさんいます。国の持続化給付金の対象は12月までですから、少なくとも地域産業支援金も12月までにし、受付を再開すべきです。いかがでしょうか。


補正予算で地域産業協力金の県からの財源14億円を減額する提案が出されています。当初予定の1万4000件に対し、7000件しか申請がなかったというのがその理由です。協力金の申請期限が6月15日までと短かったため、申請が間に合わなかった方が残されています。県の休業要請に応えて休業した人たちなので、対象は限られています。せっかく予算化したわけですから、減額しないで、再度協力金の申請を受け付けるべきです。いかがでしょうか。


また、県の休業要請を受けて臨時休館とした商業施設・百貨店にテナントとして入居している事業者に対し、県と協議して協力金の対象とすべきです。すでに支援金を受け取っている場合もありますが、そうした場合には、差額を支給することは可能です。いかがでしょうか。


4~6月期のGDPは年率27.8%減少し、戦後最悪の下落となりました。安倍政権が強行した消費税10%増税にコロナウイルス感染拡大が追い打ちをかけました。世界では、19か国が日本の消費税にあたる間接税の税率引き下げや納税免除などの減免措置を行いました。市内の中小零細企業の皆さんから、消費税5%かゼロにしてほしい、との声が寄せられています。消費税率の引き下げは家計を応援するとともに、企業応援策としても有効です。市長はいかがお考えでしょうか。伺います。


2019年度普通会計決算の実質収支は38億1900万円となり、前年度から5億800万円増加しました。市庁舎整備基金に123億円を積み立てても黒字になったということです。財政基金も2018年度から19億円増やし266億円になりました。基金現在高は1,364億円です。指定都市の中では依然として、おそらく大阪市に次いで2番目に多い自治体です。市の財政力は十分あり、市民のために使えるお金はあるということです。こういう決算状況を市長はどうみているのか伺います。


市は毎年の財政見通しで財源不足が生じるとの試算を示してきました。しかし、決算になると、財源不足どころか、大きな黒字になる事態が何年も続いています。2019年度も242億円の収支不足が生じるとしていましたが、38億円の黒字です。市は来年度も368億円の収支不足になるとの見通しを立てています。財政局は各局の予算要求について、法定外扶助費、維持修繕費、光熱水費、普通建設事業費以外はマイナス3%シーリングを設定すること、人件費の抑制や事務事業の見直しによる更なるコスト縮減を図ることとしています。しかし、市民生活を支え、経済を回復させるために必要な施策はたくさんあるはずです。それを各局に出してもらって、実現するために努力するのは政局の仕事ではないでしょうか。一律にマイナス3%を迫るのはやめるべきです。市民にとって今必要なものは委縮せずに要求してほしいと言うのが財政局のあるべき姿ではないでしょうか。伺います。


次に、仙台市基本計画(中間案)について伺います。9月1日に意見公募を始め、5日から市民説明会が開催されました。どの会場でも活発な意見が出されました。市長が自ら出席して説明し、参加者の意見を聞いて質問に答えることは大事なことです。若い人の参加が見られたことは計画づくりの過程で若者の参画に取り組んできた反映です。大事なのは、説明会を含めて、市民の意見を計画や具体の施策に反映することです。例えば、未来をつくる市政運営の中の都市構造形成の方針では、過度に自家用車に依存しない、利便性の高い公共交通を中心とした都市交通の充実に取り組みとあります。今、多くの市民から「バスが不便になった。バスの便数を増やしてほしい」という声が寄せられています。市内のどこに住んでいても住民の足が確保される地域公共交通の充実が求められています。また、笑顔咲く子どもプロジェクトでは、子どもたちの未来が広がる環境をつくるとしています。足りない保育所や児童クラブの増設などに思い切って財政投入し、子育て支援を強めることは市民の切実な願いです。また、目指す都市の姿に多様性が尊重されるまちを掲げています。そのためにも、専門部署や担当相談窓口などの設置が必要です。こうした具体の施策を市民と一緒に考え作り上げる努力が求められています。いかがでしょうか。


区別計画についても、参加者から地域に係る要望や期待がたくさん語られています。従来の延長ではない区別計画の充実が求められています。それには、大区役所制の本旨に立ち返り、人も権限も財源も区役所にしっかりと保障すべきです。いかがでしょうか。


「杜の都観光プラン」についても中間案が公表されました。
今回のプランでは、一番に「脱炭素都市づくり」を掲げ、長期目標に「2050年には温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す」と明確に示したことを歓迎するものです。そのための具体の積極的取り組み一層求められます。
市はこれまでも「パリ協定を踏まえた国の目標を上回る温室効果ガス削減目標を設定し、低炭素都市づくりを推進してきた」と目標値設定の考え方を強調してきました。しかしパリ協定は、地球の平均気温の上昇を少なくとも1.5℃以内に収めると要請しておおり、国際連合の気候言動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書では、そのためには2030年までにCO2 排出量を2010年水準から約45%削減し、2050年ごろにCO2排出量実質ゼロを目指す必要があるとしています。
すでに2017年時点で約1℃上昇しているといわれる今、本市がプランで示す中間目標が2013年度比で35%削減するという程度ではパリ協定の目標には遠く及びません。もはやパリ協定を達成しようとする目標は世界の共通認識であり、求められているのはその実効性です。
「低炭素」から「脱炭素」へと大きく認識が変わった今、防災環境都市にふさわしく、市民・事業者に気候危機を知らせ、市民ともに取り組むための「気候非常事態宣言」を挙げて、温室効果ガス排出量の削減目標を大幅に引き上げることを求めますが、いかがでしょうか。


温室効果ガスの排出量の削減の必要性と合わせて、本年度までの「杜の都環境プラン」における目標と達成状況から浮かび上がる課題に、ごみの減量とリサイクル率の向上があります。
この分野の取り組みは、まさに市民協働によって推進が図られると考えます。これまでにもプラスチックの分量回収や分別徹底など求め、紙類の定期回収の実施や容器包装に限定しないプラスチックごみの回収への道を開くなど、市民のみなさんとともに前進させてきました。
しかし、まだまだできることはあります。月2回と分かりにくい紙類回収を毎週決まった曜日にすることや、資源ごみも分別意識を高めるためにボックスの色分けを行うなど、市民のみなさんが主体的に取り組める仕組みづくりをさらに進めることが重要です。
「なんでも袋に入れれば、持っていってくれる、焼却する」という現在のごみ処理の捉え方を「焼却ごみは排出ごみのほんの一部」となるようにすべきです。ごみをどう処理するかではなく、ごみ自体を出さない社会を目指す、「市民協働のゼロウェイスト」の実現に向けて取り組むことを求めますが、ご所見を伺います。


市はガス事業の民営化で、9月2日に事業継承者の公募を始めました。10月29日に応募を締め切り、提案の審査を経て来年5月下旬に優先交渉権者を決定し、2022年度内の譲渡を目指すとしています。最低譲渡価格を400億円としていますが、2019年度のガス局の固定資産は約457億円、流動資産90億円を含めると約547億円余です。譲渡価格を安くして買いやすいようにしているのではないでしょうか。譲渡価格400億円の積算根拠を求めましたが、出せないということでした。ガス局が言っているのは「事業譲渡後の新たな事業展開に伴い発生する付加価値分も考慮するなど、市が総合的に勘案して設定したもの。なお、企業価値評価はガス局の資産の価値や企業債残高とは直接には関係していない」というものです。これでは譲渡価格が妥当なものかもわかりません。少なくても、今後財団を設立し、5年間維持するための費用や、民営化推進委員の報酬・旅費、今後数十年ガス局が生む収入、地域経済や関連企業への影響などもすべて、市民と議会に公表すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


市ガス事業は2014年度から連続黒字で、2019年度も29億2700万円の黒字となりました。全国一の公営ガス事業を売却することについて、市民から、コロナ禍において、民営化を急ぐ理由が理解できない。郡市長の「この時期だからこそ民営化は必要」との言葉に違和感を覚えるという声が寄せられています。
前回の民営化はリーマンショックでとん挫しました。今回はコロナの影響で経済はそれ以上の打撃です。今の経済状況で買い手側にも影響がある中、安くしても売るということは市民のためにはなりません。事業譲渡した事業者が付加価値をつけて事業展開すると言いますが、どこまで体力が持つのかもわかりません。市民に安定的なガスを供給するためにも、この時期だからこそ民営化はありえません。市長に伺います。


女川原発2号機の再稼働を巡り、30キロ圏内7ヶ所で県主催の住民説明会が終了しました。重大事故を想定した広域避難計画や東日本大震災で被災した2号機の安全性について、国や東北電力はまともに回答せず参加者の疑問や不安を払しょくできませんでした。
仙台市では、女川原発で重大事故が起こった場合、石巻市から4万605人、東松島市から2万4200人の避難民を受け入れることになっています。仙台市の原子力災害対策としては避難所を設けず、屋内退避を基本にしていますが、地震・津波が同時に発生した際に市は市民のために避難所を開設しなければなりません。それに加えて石巻市や東松島市の避難民を受け入れることは難しく、ましてや、コロナ対策も必要となれば、市民の安全も守れません。
仙台市は女川原発から50キロです。放射性プルームが海からまっすぐ飛んでくれば、仙台市に与える影響は甚大です。
昨年2月、村井知事に提出された「県民投票条例」を求める直接請求署名は、わずか2カ月間で法定の5倍を超える11万筆が集まり、再稼働に対する関心の強さが示されました。109万市民に大きな影響を与える原発再稼働です。県に対し、仙台市内でも市民説明会を開いて市民の意見を聞くよう求めるべきです。伺います。


郡市長は8月25日の定例記者会見で「地域の意見をよく聞いて決めてほしい。東京電力福島第一原発事故を忘れてはならないし、あの教訓があって私たちの今がある。知事に再稼働への意見を求められた際は、いろいろな方の声を聞いたうえで答えたい」と語りました。
女川原発再稼働について、村井知事は市町村長の意見を聞くとしています。女川原発2号機の再稼働はしないよう、知事にはっきりと言うべきです。お答えください。このことを最後に伺って私の第一問と致します。


 


◯市長(郡和子)


ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。


まず、新型コロナウイルスに係る保健所の役割や機能などについてお答えをいたします。
支所を含む保健所は、市民の命と健康を守る最前線の専門機関として、帰国者・接触者外来への受診調整、それからまた、患者に対する積極的疫学調査、濃厚接触者の健康調査など、大量かつ多岐にわたる業務を担いまして、昼夜かかわりなく感染拡大の防止に努めてまいりました。
これまで増員や内部の応援などにより体制強化を進めてまいりましたが、今後、インフルエンザの流行期を控えまして、保健所がその求められる役割を果たしていくためには、さらなる体制の整備が必要と考えております。専門職がその専門性を発揮すべき業務に注力できるように、業務の見直しなども行うなど、必要な手だてを早急に講じてまいりたいと考えているところでございます。
また、保健所は健康危機管理事案の発生時において感染拡大防止の大変重要な役割を担っていることについて、今般の新型コロナウイルス感染症への対応の中で、市民の皆様方の理解も進んできたものと、こう認識をいたします。今後は、市民の皆様方にさらに御協力を得られるよう、その役割の一層の周知にも努めてまいりたいと存じます。


次に、令和元年度決算に係る評価と、それから新年度の予算編成についてお答えを申し上げます。
本市の基金残高に関しましては、主に高速鉄道建設や公共施設の保全整備など、将来的な財政需要に備えての積立てでございます。その残高をもって財政的に余裕があると捉えることは難しいものと、こう認識をしております。
令和元年度の決算では、市税収入の堅調な伸びなどの要因によりまして、前年度よりも実質収支は増加いたしましたけれども、社会保障関係費の増加などにより経常収支の比率が悪化するなど、政策的な財政需要への対応余力というのは低下をしております。加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、今後も極めて厳しい財政状況が見込まれるところでございます。
そのような中にあっても、地域経済の回復を含む感染症対策や、また、市民の暮らしの向上、活力あるまちづくりなど本市の将来を見据えた施策を進めるには、これまで以上に予算の厳選重点化を図っていく必要があると考えております。
令和3年度の予算編成に当たりましては、全庁一丸となってこの困難な状況に立ち向かっていく必要があるとの認識の下、一部の経費にマイナスシーリングを設定したところでございまして、その財源も活用しながら、必要な施策を進めていくための予算を確保してまいりたいと存じます。


次に、基本計画中間案についてのお尋ねにお答えをいたします。
私は、町の主役は常に人であって、美しく住みよいこの町を継続して維持していく、築いていくためには、市民の皆様はじめ多様な主体の方々と知恵や力を出し合うことが不可欠との思いの下、市政運営に取り組んできたところでございます。
基本計画につきましても、様々な市民参画の機会を持ちながら策定を進めてきたところでございまして、多様な世代が支え合いながら安心して暮らせる環境づくりなどの御意見を踏まえまして、中間案では、多様性が尊重される社会を目指す心の伴走プロジェクト、また、地域団体などの知見を生かした地域づくりを目指す地域協働プロジェクトなどを掲げております。
今後、計画の実現に向けましても、より多くの市民の皆様の御意見を伺うとともに、コロナ禍による財政制約なども考慮しながら、施策の優先順位などにも留意した上で、取り組んでまいる考えでございます。


それから、ガス事業の民営化についてでございます。
電力、ガスの小売完全自由化ですとか少子高齢化、人口減少といった影響は、エネルギー事業を取り巻く環境を大きく変えていると、このように認識をします。また、あわせて、新型コロナウイルスの影響による生活様式の変化、そしてまた、デジタル化のさらなる推進によるビジネススタイルの変革など、社会構造の変化が一層今後進んでいくことが想定をされます。
私といたしましては、そうした状況に的確に対応していくためには、ガス事業を核としながらも、公営事業者ではなし得ない民間による新たなサービスの提供など、多角的な事業展開を行いつつ、様々な環境変化に柔軟に対応して地域経済を活性化していく、このことにつなげていくためにも、民営化が必要であると判断をし、公募を進めることとしたものでございます。


それから、女川原子力発電所の再稼働に関する市民説明会の開催及び宮城県知事への意見表明についてのお尋ねにお答えをいたします。
本年3月に経済産業大臣が宮城県知事に対して、女川原子力発電所の再稼働を進める政府の方針について理解を求め、それを受けまして、本年8月に、宮城県が主催し国や東北電力が説明を行う女川原子力発電所に関する住民説明会が、県内の7か所で開催をされました。
今回のこの説明会は、宮城県の判断で、30キロ圏域、UPZ内にお住まいの方、通勤通学をする方を主な対象として実施されたものでございます。UPZの域外である本市といたしましては、宮城県に対し、新たに仙台市内での説明会を開くよう求めることは予定してございません。
原子力発電につきましては、再生可能エネルギーなどの活用を通じて、その依存度を逓減させていくべきものと考えておりますが、原子力を含むエネルギー政策は、これまで国策として取り組まれてきたものでございます。まずは、国がエネルギー資源の状況等を勘案しつつ、安全性の確保、これを大前提とした上で、安定供給や経済性、環境配慮などの観点を踏まえながら判断すべきものであると、このように考えております。
私といたしましては、今後、宮城県知事から意見を求められる機会があれば、再稼働について地域の皆様などから様々な意見があることも踏まえ、申し述べてまいりたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、ガス事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。


 


◯財政局長(福田洋之)


私からは、まず、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金についてお答えをいたします。


感染症の拡大の防止と社会経済活動の維持を図っていくためには、地域の実情に応じた施策を迅速かつ的確に実施するための財源の確保が重要でございます。
本市といたしましては、感染状況や経済動向等を踏まえ適切に対応ができるよう、臨時交付金の増額を含む財政支援の充実等に向けて、引き続き、他の指定都市とも連携しながら国に働きかけをしてまいりたいというふうに存じます。


次に、市立病院への支援についてでございます。
公営企業は独立採算が原則ではありますが、感染症の影響を踏まえまして、第2回臨時会の補正予算におきまして、特殊勤務手当の支給に係る補助金の支援を行うこととしたところでございます。
市立病院におきましては、医業収益の改善に向け、紹介患者や救急患者を積極的に受け入れるなどの取組が行われており、さらなる一般会計からの支援の必要性につきましては、今後の経営状況等を見極めながら判断をしてまいりたいというふうに考えております。


次に、県の市町村補助金の本市への配分についてでございます。
新型コロナウイルス感染症対応の事業者支援市町村補助金は、県内の中小企業等支援を目的として、県の臨時交付金二次配分額約百四十一億円のうち三十億円を活用して、市町村に配分されるものでございます。
この市町村補助金のうち、本市への配分額である約十億七千万円は、中小企業数や農林漁業者数を考慮した上、算定されたものというふうに認識しておりますが、本市の感染症の状況や地域経済の動向等による財政需要も踏まえ、必要に応じて適切に対応してまいりたいと存じます。


次に、消費税についてでございます。
消費税につきましては、全世代型の社会保障制度の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定的な財源を確保するために必要な基幹税でございます。
国の緊急経済対策では、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が大幅に減少した場合、消費税を含む国税の納付を一年間猶予し、無担保かつ延滞税がかからないということにする特例も設けられております。
消費税率の扱いにつきましては、国全体での議論が必要と認識をしておりまして、本市といたしましては、感染症の影響により疲弊した地域経済の再生に向け、緊急経済対策など地元中小企業の事業継続を下支えする取組を進めてまいります。
以上でございます。


 


◯市民局長(佐藤伸治)


区役所の在り方に関するお尋ねについてでございます。
平成元年の区制施行以来、区役所におきましては、市民の皆様の暮らしに関わる最も身近な窓口として、各般の地域関連施策を展開してまいりました。そしてまた、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、各区役所では、現在、保健福祉センターの職員が中心となって、区民の安全・安心確保のため、各種の対応に懸命に努めているところでございます。
これまでも、区役所の機能強化という観点から、まちづくり部門や福祉部門の組織体制の強化や、区長裁量予算をはじめとする予算の拡充が図られてまいりましたが、地域を取り巻く課題が山積していることを踏まえますと、それらに的確に対応できる体制を不断に整えていくことが求められていると、このように考えております。
新たな基本計画に盛り込まれます区ごとの地域づくりの方向性、これに沿ったまちづくりが、各区役所を中心として住民の皆様との協働の下、着実に進められますように、引き続き必要な検討を重ねてまいりたいと考えております。
以上でございます。


 


◯健康福祉局長(舩山明夫)


私からは、健康福祉局に関わる数点の御質問にお答えをいたします。


まず、PCR検査を行う診療所への補助に関しまして、補助対象の拡充等についてでございます。
インフルエンザの流行に伴い発熱患者が増加することを見据え、かかりつけ医を持たない方や、診療所の事情などでかかりつけ医において診療が受けられない方の受皿となる診療所を確保していくことが重要と認識をしております。
そのため、現時点では、7月に開始をいたしました発熱患者への情報提供に御参加いただいた診療所を補助の対象と想定をしておりますが、補助に関するより具体的な内容に関しまして、引き続き、仙台市医師会と協議を重ねてまいりたいと考えております。


次に、今後のインフルエンザ流行に備えた体制整備についてでございます。
本市では、国の通知が発出される以前より、市医師会と、インフルエンザの流行期も見据えた発熱患者の受入れ体制についての協議を重ねてまいりました。今般、地域の診療所において発熱患者を診察し、検査が必要な際には診療所において検体を採取して行政検査を実施する体制を構築するため、市医師会と集合契約を締結し、参加する診療所の申込みを市医師会において受け付けているところでございます。
現時点では、これらの地域の診療所による検査体制の拡充を図りながら、検査を実施しない医療機関を受診した疑い患者や濃厚接触者などにつきましては、引き続き、帰国者・接触者外来において検体を採取し、衛生研究所において検査を実施することを想定しております。
インフルエンザとの同時流行も想定し、市医師会や医療機関と連携しながら、発熱患者が医療機関を受診し、必要な際には検査を受けることができる体制が確保されるよう取り組んでまいります。


次に、行政検査に係る費用の自治体の負担についてでございます。
感染症法において、行政検査に要する費用への国の負担割合は2分の1と定められております。一方、国からの通知においては、これらの地方負担額を基礎として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の第三次交付限度額を算定する見込みであることが示されているところです。
新型コロナウイルス感染拡大防止に関する事業に要する費用につきましては、これまでも指定都市市長会や東北市長会等において、必要かつ十分な財政措置を講じるよう求めているところでございますが、引き続き国に対して求めてまいります。


次に、県外から戻られた市民の方に対するPCR検査についてでございます。
出張や帰省などで県外から戻られた方から検査について御相談をいただいた際には、症状の有無や行動歴などをお伺いをした上で、検査が必要と判断される場合には行政検査を実施しているところですが、県外移動歴のみで一律に行政検査の対象とすることは考えていないところでございます。
本市といたしましては、症状や行動歴等から感染が疑われる方を確実に検査につなぐことで、感染拡大防止に努めてまいります。


次に、高齢者施設や障害者施設に入所する方に対するPCR検査についてでございます。
現在、これらの施設への入所に当たりましては、入所前二週間程度の行動歴や、御家族も含め体調を事前に把握しているほか、入所当日にも体調の確認や検温などを行っております。その際、発熱等により感染が疑われる場合には、病院の受診等を勧め、施設内の感染を未然に防ぐ取組を行っているところです。
発熱等の症状がない方については、生活を継続するために必要な福祉サービスを提供することが基本であり、日頃から健康の状態に留意し、感染が疑われるような体調変化があった場合には速やかに検査につなげる等の必要な対応を行うことで、感染拡大の防止を図っております。
施設に対し、引き続き、入所する方の体調等の確認を的確に行うことを徹底し、必要なサービス提供とともに感染拡大防止が図られるように努めてまいりたいと存じます。


次に、救急隊員へのPCR検査についてでございます。新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、消防局と連携を密に取り組んでいるところでございまして、陽性患者が救急搬送されたことが判明した際には、速やかに消防局への連絡を行っているところでございます。
現在、消防局では、全ての救急事案においてN95マスク及びゴーグルを着用させるなど、感染防止対策を取って対応しており、陽性患者を搬送した隊員について一律に行政検査の対象とはしておりませんが、救急搬送時に血液の暴露など感染リスクの高い状況が確認された場合や、搬送した隊員に症状が見られる場合などには、個別に必要性を判断し、速やかに検査を実施してまいります。


次に、医療従事者への慰労金についてでございます。
国の第二次補正予算による医療従事者に係る慰労金は、8月末から支給が開始されているところでございます。
本市といたしましては、医療機関の減収補填に関し、経営破綻を招かないよう国に要望を行ってまいりましたが、引き続き、市内医療機関の経営状況について、仙台市医師会との意見交換を行いながら、実情の把握に努め、必要に応じ国に働きかけてまいります。また、今議会でも御提案しております本市が購入する感染防護具の提供を通じて、医療機関の支援に努めてまいりたいと考えております。


最後に、インフルエンザ予防接種の費用助成についてでございます。
国においては、今シーズンのインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性がある一方、ワクチン供給量には限りがあることを踏まえ、重症化リスクの高いとされる高齢者等の優先接種の呼びかけを行うことを検討してまいりましたが、この方針がまとまり、本日、通知が発出されたところでございます。
本市といたしましても、優先接種の対象となる方が接種機会を逸することのないよう、国より示された優先接種の呼びかけの周知に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。


 


◯子供未来局長(小林弘美)


子供未来局に関わる御質問にお答えをいたします。


まず、新生児臨時特別給付金についてでございます。
新生児臨時特別給付金につきましては、仙台に生まれる子供たちの誕生をお祝いするとともに、厳しい状況における子育てを応援するという趣旨の下に創設したものでございます。
他自治体の取組については承知をしているところでございますが、私どもにおいては、ただいま申し上げました趣旨に基づき、お一人当たり5万円を支給する本市の独自施策として、対象者の方へ御案内をしているところでございます。昨日までに約1200件の申請をいただいておりまして、引き続き、この考え方に基づき、迅速な支給に取り組んでまいりたいと存じます。


次に、児童福祉施設等に勤務する職員への慰労金についてでございます。
職員の皆様には、感染のリスクを抱える中で、子供の生活の安全・安心を確保するという使命感を持って、社会活動の維持のために尽力をいただいているものと認識をしております。一方で、有期雇用の期間満了など様々な理由で離職をされ、今回の慰労金の支給対象とならない方がおられるということも承知をしてございます。
今回の慰労金は、これまでの働きに対するねぎらいと併せまして、児童福祉施設等の人材確保が求められている中、勤務される職員の皆様に、今後も引き続き本市の将来を支える児童のために御活躍をいただきたいとの思いから、一定の在籍要件を設けた上で支給することとしたものでございます。
以上でございます。


 


◯環境局長(佐藤和美)


私からは、杜の都環境プラン中間案に関する2点の御質問にお答えいたします。


最初に、次期杜の都環境プランの温室効果ガス削減目標についてでございます。
中間案では、気候変動や自然災害の増加など、世界的に喫緊の課題である地球温暖化対策に率先して取り組むため、脱炭素都市づくりを掲げたところでございます。
温室効果ガスの排出量を2030年度に2013年度比で35%以上削減するという中期目標につきましては、長期的な脱炭素づくりを目指しつつ、本市独自の施策による削減量等も考慮した上で、国の目標を九ポイント上回るものといたしております。2050年排出量実質ゼロという長期目標の実現に向けまして、次期計画の下、市民、事業者の皆様と共に、まずはこの中期目標の確実な達成にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。


次に、市民協働のゼロウエイストの実現に向けた取組についてでございます。
杜の都環境プラン中間案では、3Rのうち、リデュースとリユースを重視した取組を進め、ごみの減量を図りますとともに、資源物の分別収集及びリサイクルを徹底し、有効活用を促進することといたしております。こうした取組は、できるだけ焼却、埋立処分となるごみを減らし、環境負荷の低減を図るゼロウエイストの考えに通ずるところがあるものと考えております。
今後とも、市民一人一人の主体的な取組を支援しつつ、ごみ減量、リサイクルの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。


 


◯経済局長(遠藤和夫)


私からは、経済対策に係る御質問にお答え申し上げます。


まず、感染防止対策奨励金の支給施設数についてでございます。
本市では、感染拡大の防止と地域経済の維持の両立を図るため、仙台感染拡大防止ガイドブックを作成し、経済団体と共に市内事業者の感染防止対策の徹底に向けた啓発を進めているところであり、この奨励金により、市内事業者の早期の感染症対策を促し、相乗効果を生み出してまいりたいと考えております。
奨励金の支給施設数につきましては、本市が実施しました市内事業所への影響調査により把握した事業者の感染症対策の取組状況等を踏まえて設定したものであり、まずは本予算を活用して市内事業者の感染症対策の取組を支援してまいりたいと考えております。


次に、地域産業支援金の受付期間の延長についてでございます。
支援金の申請期間につきましては、外出自粛や休業の要請などにより特に大きな影響が想定された2月から6月分までの1か月の売上げ減少を要件としたところであり、実際の申請におきましても、50%以上の売上げ減少となった対象月は、4月と5月に集中しております。
7月以降も売上げが減少している事業者はございますが、制度融資や保証料補給による資金繰り支援、地域産業応援金などにより事業者の事業継続を支援し、地域経済の下支えに取り組んでまいりたいと考えております。


次に、地域産業協力金についてでございます。
協力金の当初申請見込数は、宮城県から示された施設数の全てが休業要請の対象になることを前提として算定したものでございます。しかしながら、これには昼のみ営業している飲食店など、休業要請対象外も含まれていたことなどから、当初見込数と交付決定件数との間に乖離が生じたものでございます。
これまで、協力金につきましては、その周知に努めてきたところであり、対象となる事業者の方にはおおむね支給することができたものと考えており、また、協力金の対象施設は、宮城県と県内市町村の協議を経て、県下同一基準で運用したものであり、県内全市町村で既に受付が終了しております。


今後は、地域産業応援金などの支援策や、新たに創設します感染防止対策奨励金などを御案内し、御活用いただくことで、事業者の皆様を支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。


 


◯教育長(佐々木洋)


私からは、教育に関する2点の御質問にお答えいたします。


初めに、小学校における35人以下学級の拡充等についてでございます。
小学校で35人以下学級を拡充するためには、市単独の経費で教員の増員と教室の増設を行う必要がございますし、さらに少ない人数の学級編制を進めることは、より困難を伴います。
一方、現在、新型コロナウイルスの収束が見通せない中にあって、国において少人数学級の検討が進められていると伺っております。こうした国の動きを的確に把握し、少人数学級の方針が国から示された際には、本市もこれに対応するよう努めてまいります。


次に、学校給食での県産牛肉提供についてでございます。
今回の牛肉提供は、新型コロナウイルス感染症の拡大により著しい影響が生じている農産物等の生産や供給体制の維持を目的とした事業であり、本市の負担なく全額が国費で補助されるものでございます。このように、今回は生産者や業界団体等を支援するための特別な対応となりますので、通常の給食費負担の考え方には影響を及ぼさないものと考えております。
以上でございます。


 


◯ガス事業管理者(氏家道也)


私からは、ガス事業の民営化につきまして、市長がお答えした以外の御質問にお答えいたします。
事業継承者の公募の過程におきましては、最低譲渡価格の具体的な算定根拠をはじめとして、競争上の観点から公表することが難しい情報や、財団法人に係る費用など今後の応募者との協議の中で決まるものが多く、これらについては現時点では公表できないものと考えております。
ガス事業の民営化に当たりましては、都市ガスを御利用いただいているお客様へ時宜に応じた情報提供を行い、御理解を得られるよう、今後とも取組を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。


 


◯嵯峨サダ子議員


3点、再質問させていただきます。


1点目は、児童福祉施設職員への慰労金の問題です。
市が9月1日時点の在籍を要件に加えたために起きている問題なんです。児童福祉施設で働く職員の中には、有期雇用など期限の定めのある方や3月で退職した方がいるはずです。今回相談のあった方も、そのために雇い止めになりました。市は、こうした現状を知りながら、9月1日時点の在籍要件を加えたとしたら、あえて対象を狭めたことになります。
第一問でも述べましたが、感染拡大の時期や突然の学校休業など、混乱の中で懸命に児童の支援に当たった方です。こうした方々を慰労するのが、慰労金の趣旨ではありませんか。勤務した期間の要件に該当する方々には平等に慰労金を支給すべきです。伺います。


2点目は、ガス事業の民営化についてです。
市のガス事業は、長年の市民の税金でつくり上げ、維持してきたものです。市民の財産を売却するのに、譲渡価格の積算根拠を市民と議会に出せないということがあるでしょうか。あまりにも市民と議会を軽視した話です。
ガス事業管理者は、昨日の本会議答弁で、コロナ禍で投資マインドが冷え込んでいることが懸念されるが、複数の応募を期待していると答えておりますけれども、この時期に複数の応募があると思いますか。だからこそ、この時期に民営化はあり得ないと私は申し上げているので、再度御答弁ください。 


3点目は、女川原発2号機の再稼働に対する市民説明会開催について求めましたが、市長は、女川原発の再稼働の説明会は県の判断でUPZ範囲内で行うものになっているので、市民説明会は予定していないというふうにお答えになりました。しかしながら、原発再稼働は、市民が関心を持ち、事故が起きれば大きな影響が市民にも及ぶわけです。市長は、福島第一原発事故を忘れてはならないし、あの教訓があって私たちの今があると話されています。福島県飯舘村は福島第一原発から50キロにありましたが、全村避難となりました。
県の水道民営化では、仙台市民の関心も高く影響も多いことから、市から県に要請し、市民説明会を実施し、多数の市民が参加しました。この問題でも県に説明会を求めるべきです。伺います。


 


◯市長(郡和子)


お答えを申し上げます。
私からは、女川原発の再稼働に関する説明会について、仙台市でも開催を求めるべきであるという御趣旨でございましたが、先ほど申し上げましたとおり、今回の宮城県の説明会ですけれども、県の判断で30キロ圏域、UPZの中にお住まいの方々、それから通勤通学される方々を中心に、その方々を対象として行われたものでございます。県のお考えでそのようになったというふうに理解をしておりますので、仙台市での開催を求めるということを現段階で知事のほうにお願いをすることは考えておりません。


 


◯子供未来局長(小林弘美)


私からは、児童福祉施設職員に対する慰労金支給の在籍要件についての再度の御質問にお答えをいたします。
今般、在籍要件を設定したわけでございますが、慰労金の支給対象とならない方には、有期雇用期間の満了のほか、やはり年度替わりで退職された方、それから御自身の御都合での退職など、様々な理由があるものと認識をしております。
今回の慰労金につきましては、これまでの働きに対するねぎらいと併せまして、今後も広がりが予想される感染症への対応も含め、引き続き本市の子供たちのために活躍をしていただきたいとの思いから、一定の在籍要件を設けて支給をすることといたしたものでございます。
以上でございます。


 


◯ガス事業管理者(氏家道也)


再度の御質問にお答えいたします。
譲渡価400億円については、最低譲渡価格ということもあり、私どもとしては、それ以上の価値を認めていただきたいということで設定したものでございます。最低譲渡価格の算定根拠につきましては、先ほども申し上げましたとおり、今後の公募に当たっての競争上の観点から、現時点ではお示しすることができないものというふうに考えております。
また、このコロナ禍での公募ということでございますけれども、これは答申をいただいたときにも委員長もおっしゃっておったんですけれども、エネルギー事業につきましては、ほかの事業に比べてということではございますけれども、大きな損害を被ってはいないというようなこと、それから、経済の停滞ということもありまして、原料価格が非常に安くなったということもありまして、現時点においても一定程度の利益がエネルギー事業者の間では確保されているというような事情がございまして、このコロナ禍の後のエネルギー間の競争ということを考えましても、今時点で公募を開始することが適当であるというふうに判断したものでございます。


 


◯嵯峨サダ子議員


再々質問させていただきます。


まず、児童福祉施設職員への慰労金の件でありますけれども、先ほど子供未来局長は、ねぎらいをするためにというお言葉をおっしゃられましたが、本当にそういうふうに思っているのであれば、慰労金を支給すべき話なんですよ。市としてせっかくつくった制度なのですから、当時、子供たちのためにと働いていただいた方々に、今、子供未来局長のねぎらいも含めて、市の慰労の気持ちがしっかり伝わるものにしましょうと、私は第一問で申し上げて、第二問でも申し上げております。
それとも、8月末までにやむなく退職された方々に対しては、市は慰労する気持ちがないということなんでしょうか。そんなことはないはずです。そうでないというのであれば、札幌市のように、退職した方も支給対象にして支給すべきです。もう一度伺います。


それから、市ガス事業の民営化については、市民説明会すらしておりませんし、最低譲渡価格の根拠も示さないのは、あまりにも不透明なやり方です。市民にとっては利益になるかも分かりません。さらに、昨日の答弁では評価点数のつけ方も説明されていましたけれども、複数の応募がなければ、比較することもできませんし、よりよい選択もできません。市民にとって不安な要素しかないのに、それでも今しかないとなぜ言えるのか伺います。


 


◯子供未来局長(小林弘美)


児童福祉施設職員への慰労金の三たびの御質問にお答えをいたします。
今回の慰労金につきましては、これまでの働きに対するねぎらいということはもちろんございますが、やはり今後も感染症への対応が予想されているところでございまして、そういった子供のために働いている分野の職員の皆様に対しては、今後、やはり現に勤務している、9月1日で勤務しているという、そこまで頑張っていただいたというような方へのねぎらいの気持ちも強くいたしながら、子供たちのために今後も活躍をしていただきたいということの思いから、一定の在籍要件を設けて支給をすることといたしたものでございます。
以上でございます。


 


◯ガス事業管理者(氏家道也)


重ねての御質問にお答えいたします。
ガス事業の民営化につきましては、400億円という根拠につきましては、先ほども申し上げましたとおり、競争の観点から今時点では申し上げられないということを御理解いただきたいというふうに考えております。


また、ガス事業は、都市ガスユーザーの方々の料金で全て賄われておるものでございます。そのため、都市ガスユーザーの方々には民営化後も同じくサービスの提供、またはそれ以上の提供を受けられるような今回提案を求めておるところでございますので、今後とも、その点につきましては都市ガスユーザーの皆様方には丁寧に御説明してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。


 


 





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