【概要】コロナ禍での学生支援は急務。
気候危機打開と再生可能エネルギー
〇高村直也議員
日本共産党の高村直也です。コロナ禍のもとでの学生の支援、および気候危機への対策に関わって一般質問します。
コロナ禍のもとで、大学、短大、専門学校の学生は特別の困難に直面しています。オンライン授業の継続や、実習が行われないこと、就職活動のオンライン化、また人間関係をつくる機会が制限されていることなど、深刻な実態が続いています。とりわけ今年度入学の学生は、大学生活が始まったことすら十分に実感できないまま、まもなく一年が経過します。
また、親の収入が大幅に減収した世帯の学生やアルバイトの収入が断たれた学生は、学費や生活費をまかなえず、困窮しています。
仲間と共に学び、将来を模索する貴重な青春期が奪われる深刻な実態について、学都仙台を標榜する本市として、市長はどのように認識しているでしょうか。伺います。
最も深刻なのは、親の収入の減少や、アルバイト収入が断たれ、大学に通うことが困難になることです。
こうした状況のもと、学生を支援しようと、米や野菜、レトルト食品や日用品などを配布する食糧支援活動が、市民団体により各地で行われています。日本民主青年同盟宮城県委員会が行った「学生食料支援プロジェクト 食べプロ」は、これまで7回行われ、200人以上の学生が訪れました。集まった学生の皆さんには、実態を聞き取るアンケートが行われました。
東北大学の学生は「アルバイトだけで生活費をすべて負担していたが、コロナでシフトもあまり入らず、大変な思いをしている」と訴えました。また医療系の学生は「病院での実習のため、アルバイトが禁止になり、食費を切り詰めて生活している」と語りました。また先日は留学生から、後期の授業料を工面できず、このままでは専門学校を除籍されてしまうという相談を受けました。
文部科学省の調査によると、昨年10月までにコロナの影響で、大学・大学院を退学または休学した学生が少なくとも5238人いるとのことです。
コロナ禍での学生の苦難のおおもとには、コロナ前からの学生をめぐる状況があります。日本は、2012年に国際人権規約の学費無償化条項を「保留撤回」しており、段階的無償化は政治の責任です。国は住民税非課税世帯および、それに準ずる世帯の学生を対象とした就学支援制度を導入していますが、対象とならなければ国公立大学で年間54万円、私立大学で年間平均87万円の授業料を負担することとなり、学費無償化とは程遠いものです。
すべての学生を対象に、大学・短大・専門学校の授業料をすみやかに半分に値下げし、段階的に無償化をはかるよう、国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
アルバイトで減収した学生に対する国の支援として、住民税非課税世帯に20万円、そのほかの学生に10万円を給付する学生支援緊急給付金があります。しかし、この制度は学校ごとに推奨枠が決められ、推薦からもれた学生に対して再び募集が呼びかけられることが繰り返されてきました。それでも35億円の財源が財源が残っており、さらなる追加募集が行われます。速やかに給付金が学生のもとに届かないのは、学校ごとに推薦枠を割り振る仕組みに原因があります。推薦枠を撤廃するとともに、必要なすべての学生が受けられるよう予算を確保し、学生に再給付するよう、国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
コロナ禍をうけて、独自に給付型奨学金や給付金を支給する自治体が多数うまれています。東京都港区は、経済的な困難をかかえる学生の皆さんに、より多くの修学や進学の機会を提供しようと、無利子貸与型奨学金の制度を改め、給付型奨学金と奨学金の返還支援制度を新設します。福岡市は、コロナ禍で家計が急変して、収入が住民税非課税相当になった世帯の学生に5万円の給付金を支給します。ほかにも氷見市は最大で20万円、にかほ市は最大で18万円の給付金を支給するなど、あげればきりがないほど給付金を支給する自治体が増えています。流山市は、50万円を限度に前期・後期それぞれの授業料の全額分を支給する制度をつくりました。
大学に通い続けるべきか、入学を決断すべきかと悩んでいる学生や受験生に、不安やためらいなく学び続ける機会を提供するため、本市独自で給付型奨学金制度を創設することや、給付金を支給すべきと考えますが、いかがでしょうか。
本市では、コロナ禍の緊急対策として、奨学金返還支援事業の認定企業に、社会福祉法人、医療法人、学校法人等を加え、募集人数も70名から140名に拡大して実施しました。より有効な制度とするためには、一人につき年額9万円にもなる、企業側の半額負担をなくすことをはじめ、さらなる改善が必要です。
秋田県が実施する奨学金返還助成では、原則として秋田県内の企業に就職した方をすべて対象としており、企業や雇用形態、新卒か否かを問わず、幅広い若年層の地元就職につながっています。
徳島県では、企業側に一律の負担を求めていませんが、寄付金を募り、協力した企業を奨学金返還支援サポート企業として認証し公表することで、インセンティブを与える制度となっています。
本市でも、秋田県のように市内で就職する学生をすべて対象とすべきです。また企業の寄付を募るのであれば、一律の負担とせず、徳島県のような制度とすべきと考えますが、いかがでしょうか。合わせて伺います。
本市の奨学金返還支援事業は今年10月には3年目の募集を行うことになります。この制度を3年間だけとせず、恒久的な制度として、引き続き実施すべきです。いかがでしょうか。伺います。
学生同士がともに学び、交流する機会が断たれることは、これからの将来の担い手である学生が成長するうえで深刻な問題です。食料支援プロジェクトで寄せられたアンケートにも「サークル活動がないので、先輩や後輩との関係ができにくい」「友達ができず孤立してしまうのではないかと不安」といった声が寄せられています。
東北大学では上級生が新入生が新入生にオンラインで学生生活のアドバイスをする、ピア・サポーター制度を導入しました。上級生には2カ月で4万円の奨励費が支給され、アルバイト収入を断たれた方達への支援にもなり、優れた制度と言えます。
東北学院大学では「栄養バランスの取れた食事を・・・提供したいという想い」から学内の食堂で500円相当のランチを200円で提供しています。生活に困り、オンライン授業に疲れた学生がキャンパスを訪れる機会にもなります。
学生の交流を広げるためにも、こうした大学独自の取り組みに対して助成するなどの支援を進めてはいかがでしょうか。
続いて気候危機対策に関わって質問します。
1月25日に開催された国際会議「ダボス・アジェンダ」で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは、各国の対応について、カーボンニュートラルに向けた目標は掲げられましたが、不十分で具体性がないことを指摘し、「漠然として不十分で架空の目標を掲げている」「夜中、家が燃えているのに、何十年先に消防署に電話するようなものだ」と痛烈に批判しました。気候危機への対策を求める世論と運動は、国内外に広がっています。
2030年までの目標を大幅に引き上げるとともに、ゼロカーボンシティを宣言した本市として、2050年の目標達成に必要な具体的な取り組みを明らかにし、推進すべきと考えますが、ご所見を伺います。
温室効果ガスの削減には、最大の排出源である火力発電に代わって、再生可能エネルギーを普及させることが不可欠ですが、一方でメガソーラーなどの乱開発は目に余るものがあります。何十年と時間をかけて成長する森林をむやみに伐採することは、再生可能エネルギー導入のためであっても、気候危機対策に逆行し、本末転倒です。求められるのは環境を破壊する乱開発を抑制する一方で、脱炭素社会の模範となる、文字通りの持続可能な開発は進めるという、両面の対応です。
本市では太陽光発電の環境影響評価に関する市独自の「指導方針」が4月から施行されます。この指導方針には、その「目的」に環境アセスメントの手続きにあたって、「必要な環境配慮事項等を定め、事業者に対し事業計画の早期段階から、適切な環境配慮を促す」とあります。こうした乱開発の抑制につながる取り組みと同時に、太陽光発電を適切な形で普及する取り組みも重要と考えますが、当局のご認識を伺います。
再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて、環境省がまとめた2018年度の試算によると、全体の発電電力量7兆2861億kWhに対し、その98%以上が太陽光発電および風力発電で占められており、これらをさらに普及することは避けて通れません。
太陽光発電と風力発電は、天候に左右されるため、変動性再生可能エネルギーと呼ばれています。昼間に発電のピークを迎える太陽光発電が先行して普及していますが、風力発電は昼夜を問わず発電できます。両者を組み合わせることで電力の需給を調整できるため、今後は風力発電の設備が進むと考えられています。
経産省は昨年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で「重要分野」の第一に洋上風力発電をあげ、2040年までに「大型火力」発電30基分を導入すると発表しています。
本市の風力発電の推進について、考え方を伺います。
風力発電を推進する際、太陽光発電と同様に乱開発を抑制する適切な措置が必要です。そのため、徳島県鳴門市、静岡県浜松市では、ゾーニングマップを作製しています。鳴門市では、災害、低周波音を含む騒音、風車の影、景観、鳥類の衝突、動植物の6項目それぞれについて評価図を作り、それらを重ね合わせ、一枚のマップにすることで「原則として立地付加とすべき地域」「慎重な検討を要すべき地域」をそれぞれレッドゾーン、イエローゾーンとして示すなどしています。作成の過程では、住民の皆さんや、環境団体、事業者を含む地域内外の幅広い協力を得ています。
乱開発では、住民合意や対話が十分でなかったことが、問題の根本にあります。一方、ゾーニングマップの作製は事業計画立ち上がる前にできますので、時間をかけて検討することができます。
本市としても、風力発電に対するゾーニングマップを住民合意のもとに作成してはいかがでしょうか。伺います。
建築物への太陽光パネルの設置が進められていますが、もう一つ検討すべきは、耕作放棄地の活用です。
農水省によると、日本の耕作放棄地は、平成27年に42.3万ヘクタール、国土面積の約1%の広さがあり、さらに増え続ける見通しです。本市においても耕作放棄地だけで約155ヘクタールの広さがあり、その有効な活用が求められます。こうした土地を太陽光発電に活用する場合、森林伐採はなく、土地や道路の整備も必要ありません。
登米市では、森に囲まれた約2ヘクタールの耕作放棄地を活用して、きくらげを栽培する営農型太陽光発電、ソーラーシェアリングが行われ、地域の雇用創出にもつながっています。太陽光発電の売電収入により、農業と耕作放棄地の再生に成功した好事例と言えます。
耕作放棄地の増加が、イノシシなどの獣害の温床となる中、耕作放棄地が活用されることは獣害から農村を守ることにもつながります。ソーラーパネルから得た電源は、イノシシ対策の電気柵にも活用できます。
一方、耕作放棄地であっても、住宅に隣接するなどして景観などが問題になることから、住民合意が欠かせません。
太陽光発電についても、住民の皆さんから歓迎される好事例を生み出すことを視野に住民合意を進めながらゾーニングマップを作製してはいかがでしょうか。
気候危機の解決策として原発はふさわしくありません。
再生可能エネルギーは、天候に左右されるため、供給不足や供給過剰により停電などの可能性が指摘されています。しかし、国内の識者らが昨年2月に発表した「原発ゼロ・エネルギー転換戦略」の試算によると、地域間融通、需要側の調整、蓄電、交通部門などとの連携、などを推進すれば、安定した状態を維持でき、2050年には再生可能エネルギー100%で停電などの事態は十分に回避できます。
また、政府が「原発のコストは安い」とする根拠は、2015年、経産省の「発電コスト検証ワーキンググループ」におけるコストの比較にありますが、この計算では原発のコストが過小評価されています。
例えば原発事故費用が9.1兆円とされていますが、翌年に経産省自身が東京電力・1F問題委員会で福島第一原発事故の処理について、廃炉、汚染水処理、賠償、除染に22兆円かかるとの再試算を公表しています。さらに公益社団法人の日本経済研究センターは、事故費用を明らかにされていない除染土壌の処理費用を見積もるなどして、廃炉せず汚染水を海洋放出した場合に35兆円、海洋放出せず処理した場合に81兆円と試算しています。
また、安全対策費についても、ワーキンググループの試算では、原発1基あたり約1000億円としていますが、昨年8月9日の朝日新聞の調査によると、テロ対策の追加などにより、再稼働した5原発9基の安全対策費は、1基あたり1400億~2300億円と膨れ上がっています。
一方、再生可能エネルギーのコストは、米国、欧州、中国ですでに一番安くなっていますし、日本でも2019年9月、太陽光発電の平均落札価格は1キロワット時あたり12円98銭と、2012年固定価格買取制度開始時の約4分の1になっています。自然エネルギー財団、上級研究員の木村啓二氏の試算では、2030年に日本でも最も安い電力になるとされています。
ひとたび事故を起こせば重大な環境破壊につながる原発よりもコストが安く、地域経済にも貢献するなど、多くのメリットがある、再生可能エネルギーを推進すべきではないでしょうか。ご所見を伺います。
このことを伺って第一問とさせていただきます。
◯市長(郡和子)
ただいまの高村直也議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、コロナ禍における学生支援のお尋ねのうち、学都としての課題認識についてお答えをいたします。
学都仙台と呼ばれます本市には、大学や短大や専門学校などが集積しておりまして、若者のエネルギーは都市活力を生み出すポテンシャルにもつながっています。
新型コロナウイルス感染症は、リモート授業など学生の皆様の活動に大きな影響を与え、不安や困難を抱えている方もおられる中、それぞれの大学などが学生の皆様の状況を把握して、健康管理や学生同士の交流を生み出す場づくりなど、積極的に支援をされておりますことは、大変心強く感じているところでございます。
本市といたしましても、学生の皆様が仲間と共に心置きなく学び、交流を図り、充実した青春期を過ごせる日が一日も早く取り戻すことができますよう、ワクチン接種の円滑な実施などの対策に全力を尽くしてまいります。
次に、再生可能エネルギー推進についてのお尋ねにお答え申し上げます。
原子力を含むエネルギーミックスなどのエネルギー政策につきましては、国において、安全性やまた安定供給、経済性、環境性などの観点を踏まえながら、その在り方について判断をすべきものと存じます。
再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せずに安全に生産できるといった特性を有しておりまして、カーボンニュートラルの実現やエネルギーの地産地消の観点からも、大変利点があるものと考えております。
本市は、あの東日本大震災のときのエネルギーの途絶という経験を踏まえまして、エネルギーの自立型のまちづくり、これを目指して、指定避難所への太陽光発電システムの整備や民間施設への再生可能エネルギー導入支援などを行ってまいりました。
引き続き再生可能エネルギーの普及に努めることにより、地球温暖化対策や防災面の強化を図り、ゼロカーボンシティの実現を目指してまいる考えでございます。
私からは以上でございまして、そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。
◯まちづくり政策局長(梅内淳)
初めに、コロナ禍における学生支援のお尋ねのうち、大学独自の取組への支援についてお答えを申し上げます。
学生支援につきましては、国において各種支援策が用意されているほか、先ほど市長からも御答弁いたしましたとおり、学生にとって最も身近な大学等が、それぞれの学生の状況等に応じた独自の支援策を講じているものと承知をいたしております。
本市といたしましては、学生の皆様が安心して学ぶことができますよう、新型コロナ感染症対策等に全力で取り組んでまいります。
次に、風力発電の推進及びゾーニングマップの作成に係るお尋ねにお答えを申し上げます。
風力発電は、天候により発電量が左右されるものの、大規模に開発することにより経済性も確保できる可能性があり、カーボンニュートラルの実現に向け期待される方策の一つでございます。
一方、その推進に当たりましては、発電に適した風を受けることができる土地の確保や景観への影響、低周波音への懸念などの課題があるものと認識をいたしております。
宮城県において、県内全域を対象に、風力発電の可能性があるエリアを示したゾーニングマップを既に作成しておりますが、本市域は風の状態や土地利用の法的規制などの点から、導入可能性の高いエリアがなく、積極的な導入は難しいものと考えているところでございます。
以上でございます。
◯環境局長(佐藤和美)
私からは、気候危機対策についてのお尋ねのうち、環境局に関わる二点の御質問にお答えいたします。
初めに、温室効果ガスの削減目標等についてでございます。
地球温暖化対策の推進に当たりましては、市民や事業者の皆様との連携の下、実効性のある取組を進めていくことが重要であると考えておりまして、次期環境基本計画における2030年度の目標は、国の施策に加えまして、本市の独自施策による削減量等を上積みすることによりまして、国の目標を九ポイント上回るものといたしております。
また、国におきましては、今後、温室効果ガスの大幅削減につながる最先端技術の開発、実用化を加速させることといたしており、本市といたしましては、こうした動向を注視し、積極的に施策に取り入れるなど、長期目標である2050年排出量実質ゼロに向け取り組んでまいりたいと考えております。
次に、太陽光発電の適切な普及についてでございます。
再生可能エネルギーである太陽光発電につきましては、事業者に対し適切な環境配慮を促しながら、その普及を図っていくことが重要であると考えております。こうした認識の下、昨年12月に、市域の約六割を森林が占める本市の特性を踏まえまして、環境影響評価制度の見直しを行い、森林地域における敷地面積一ヘクタール以上の事業を対象に加えますとともに、計画段階から事業者に対し環境配慮を促す指導方針を策定したところでございます。
今後、本制度を適切に運用し、杜の都の良好な自然環境の保全と太陽光発電の普及の両立を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯経済局長(遠藤和夫)
私からは、経済局に係る二点の御質問に御答弁申し上げます。
まず、奨学金返還支援制度についてでございます。
この制度は、多くの優秀な若者が地元企業の成長を支える人材として地元に定着し活躍いただけるよう、地元企業とともに地域が一体となって取り組むことを目的といたしております。
こうした観点から、企業側にも寄附という形で一定の費用負担をお願いし、協力企業に就職する新卒及び既卒3年以内の人材を支援する制度としたところでございます。
今年度、定員や対象法人を拡充したことにより、協力企業は150を超え、学生にとってさらに利用しやすい制度となっております。
引き続き、協力企業の情報や魅力を積極的に学生に発信することにより、地元企業の人材確保を支援しながら、学生の地元定着を図ってまいりたいと考えております。
なお、制度の継続につきましては、この制度を利用して就職された方々や協力企業、大学関係者等から御意見を伺い、効果検証の上、検討してまいります。
次に、耕作放棄地の太陽光発電への活用についてでございます。
農業用地における太陽光発電といたしましては、農地の上に支柱や太陽光パネルを設置し、農業生産と発電を両立する営農型太陽光発電の導入事例が全国的に増えつつあるものと承知しております。
一方、その導入に当たりましては、住民合意のほかにも、面積、傾斜、土質、周辺環境など土地ごとに条件が異なります。あらかじめゾーニングすることは難しいところではございますが、耕作放棄地の有効活用策の一つとして、先行事例等を研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯教育長(佐々木洋)
私からは、学生支援に関し、教育に係る御質問にお答えいたします。
初めに、大学生等への支援についてでございます。
今般のコロナ禍による社会経済状況の急変を踏まえ、国においては大学等へ授業料の減免を要請するとともに、学生支援緊急給付金の給付など、学生に対する支援策が実施されているところでございます。給付型奨学金については、令和2年度より国の修学支援制度の中において拡充されております。
こうした学生への支援につきましては、人材育成の観点から、国が対処すべき課題と考えており、本市といたしましては、授業料の減免や給付型奨学金の拡充を引き続き国に要望してまいりたいと存じます。
また、国の支援策については、市ホームページにおいても紹介しているところであり、支援を必要とする学生へ情報が行き届くよう周知に努めてまいります。
以上でございます。
◯高村直也議員
二点再質問させていただきます。
学生の学びと生活を保障する市独自の給付型奨学金、給付金について、国の政策を進めると。そして、市は感染症対策に取り組むというふうな御答弁、それから大学独自の取組もあるというふうな御答弁でしたけれども、第一問でも紹介させていただいたように、学生は困窮しており、緊急の対策が必要となります。
このほどコロナ禍を受けて、独自に給付型奨学金や給付金を導入あるいは拡充した自治体は、私が確認しただけで33自治体にも上っています。学都仙台を標榜する本市として、速やかに学生の手元に届く給付型奨学金や給付金を支給すべきですが、いかがでしょうか。
二点目に、太陽光発電及び風力発電のゾーニングについてです。
風力発電について県が既に作成しているというお話もありましたけれども、しかし、このゾーニングについては、地域から喜ばれるような持続可能な開発とするためには、国や県任せではなくて、地域に根差した基礎自治体の取組が重要だと考えます。また、太陽光発電についてはアセスメントもあるというお話がありましたけれども、このゾーニングは事業計画が立ち上がる前の段階からできますので、その意味ではこのアセスメントよりも早期の、事前の対応ができるという優れた点があるわけです。ですから、ゾーニングを進める上で、本市としても住民合意を進める積極的な取組を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
この二点についてお答えください。
◯まちづくり政策局長(梅内淳)
私からは、風力発電のゾーニングマップに係るお尋ねにお答えを申し上げます。
風力発電、ただいま再度の御質問がありましたとおり、地域等の要望ということも一つあるかと思いますけれども、まずはその前提として有効な発電を行えるだけの風力のある土地でありますとか、法的な規制、景観への影響あるいは低周波音への懸念といったものがございますので、こういったものについては地域の合意という以前に物理的、客観的な基準によって判断がされるということだと思ってございます。
基本的に宮城県のほうで作成しましたゾーニングというのは、こういった客観的な基準によってその適否を判断してゾーニングを行ったものでございまして、それが仙台市域内にないというようなことが示されておりますので、もしそれが仙台市内にあれば、地域の皆様とお話をしながらというようなことになるかと思いますけれども、こういった点でやはり市内への風力発電の立地というのには課題があるというふうに考えてございます。
◯環境局長(佐藤和美)
私からは太陽光発電に係るゾーニングに関しての再度のお尋ねにお答えをいたしたいと思います。
先ほど一問目でもお答えしたんですが、太陽光発電、特に本市の場合は森林地域が約6割を占めるということで、委員の御質問にもございましたとおり、森林伐採を伴う太陽光発電は決して望ましい方向ではないというふうな理解の、それから仮に市街化調整区域においてそれを推奨するにいたしましても、ゾーニングということで推奨する地域を個別具体に定めるのはなかなか難しい面があるというのは、これは事務上なかなか厳しいというのは、私どもも想定されます。
したがいまして、基本的には事業者の判断の下、環境への配慮に十分に留意いただきながら、その普及と環境配慮の両立を図りながら、整備が進められるということが望ましいというふうに考えております。
以上でございます。
◯教育長(佐々木洋)
給付型奨学金制度に関する再度の御質問にお答えいたします。
コロナ禍の下で大学生等が厳しい状況にあるということから、国におきましては給付型奨学金につきまして制度の拡充がなされておりまして、先ほど答弁いたしましたとおり、こうした学生への支援というのは今後の日本を支える人材育成の観点から、国において対処すべき課題というふうに考えてございます。
本市といたしましては、引き続き必要に応じ、国に対してさらなる充実を働きかけてまいりたいと存じます。
以上でございます。