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一般質問 ふるくぼ和子議員(6月20日)


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質問・答弁を動画で視聴できます。




【概要】
(一問一答方式)市民のくらしに寄り添った収納対策
〇小中学校のすべての保護者に就学援助の申請書の配布
〇市営住宅家賃の減免勧奨と周知徹底
〇水道水の給水停止は命にかかわる問題
〇生活相談と生活支援策の全部署での実施と体制づくり





〇ふるくぼ和子議員

日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。
仙台市の収納対策が市民の暮らしに寄り添ったものになることを求めて、一問一答方式にて一般質問を行います。
本市での各種納付金の収納率向上とその取組を考えるとき、これまでにも議会で紹介してきた、滋賀県野洲市の「ようこそ滞納いただきました」から始まる滞納者へのメッセージと取組には改めて注目すべき点があります。収納対策というと、滞納者に差押えを行うなど、取立てを強化する方向に向きがちですが、地震などの自然災害や病気、事故、失業、離婚、消費トラブルなどによって、納めたくても納められない生活困窮の市民がいることに着目し、滞納は生活状況のシグナルとして捉え、生活再建支援に結びつけることは大事な取組です。
野洲市では、「市民共通の願いは、健康、安全、幸せです」という書き出しから始まる、野洲市くらし支えあい条例を制定し、社会経済的要因によって生活が立ち行かなくなる場合があり、そうした市民の生活の困り事を解決し、自立を促し、生活再建に向けた支援を行うことは市の重要な役割ですと、前文にうたっています。そして、生活困窮者等への支援等を一つの章に立て、市はその組織及び機能の全てを挙げて生活困窮者等の発見に努めるとして、生活困窮者等に公租公課の滞納があったときは、迅速かつ的確に債権管理条例による措置を講じ、その者の生活の安心の確保に努めるものとするとしています。また、支援の方法や支援調整会議、市民生活総合支援推進委員会の設置、見守りネットワークの構築なども具体的に定めています。
仙台市においても、コロナによる影響も受けながら、苦難の中での生活を余儀なくされている市民がいるものと思います。収納対策に関わる職員の一人一人が生活に困っている市民への支援を念頭に置いて業務に取り組まれることが必要だと考えますが、市民生活の現状認識と収納業務における行政の役割についての市長の御認識を伺います。

また、くらし支えあい条例と連動している野洲市債権管理条例においても、地方自治法施行令第171条の5に示されている以外に、債権者が著しい生活困窮状態にあり、これを履行させることが著しく困難または不適当であると認めるときを徴収停止に加え、債権放棄についても7項目を規定し、生活困窮者等への対応を定めています。野洲市の債権管理条例の説明資料には、滞納の補填はいずれも税財源、市民生活を支えるための財源は市民生活を壊してまでは回収しない、滞納を市民生活の支援のきっかけにすると明記しています。そして、債権管理事務の効果として、差押えによる一時的な徴収よりも、生活再建を経て納税していただくほうが長期的な納税額が大きいこと、市民生活の安定こそが今後の長期的な納付意欲の向上につながること、また、業務の効率化という点でも、差押えよりも債務整理のほうが納税額を生み出しやすいとはっきり整理しています。
収納対策の根本的理解に関わる大事な視点だと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか、伺います。
 
残念ながら、本市の債権管理条例にはそういった記載はありません。市が市民に求める税や使用料、負担金などは多岐にわたります。住民税や国民健康保険料、給食費、市営住宅家賃に水道料など、いずれも所管する部署での収納管理がされているものと思いますが、収納状況とその評価、滞納者への対応の現状や収納支援の考え方についても、それぞれからの答弁を求めます。
 
実践的には、国民健康保険料で子育て世帯に過度な負担とならないようにと市独自の減免制度を実践したり、コロナ禍で収入が減少した市民に減免申請をしてもらえるように加入者全員に納付通知書と一緒に減免申請の用紙と返信用封筒まで入れて郵送するなど、これまでになかった取組を行っていると思います。収納率も少しずつ上昇し、2020年度には政令市の中で一番の水準となりました。国民健康保険料における低所得者減免など、どのような分析に基づいて減免の取組を進めてきたのか、適正な賦課による収納率向上の取組の効果と評価についても伺います。
以上を総括質問とし、御答弁を伺った後、一般質問を続けます。





◯市長

ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えをいたします。
市民生活の現状認識と行政の役割についてお答えいたします。
長引くコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻などによって物価が高騰している現状は、市民生活、特に所得の少ない、低い方々の生活に影響を及ぼしているものと認識をしております。この間、本市では、住民税非課税世帯等への臨時特別給付金や新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金を支給するなどして生活を支えるとともに、必要に応じて納期の延期や分納の相談、また各種の減免制度の活用など、市民に寄り添った対応に取り組んでまいりました。また、生活に困窮されている方の情報を関係部署で速やかに共有できるよう、生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者自立支援連絡会議を設置し、関係局区の情報共有や連絡調整を図っているところでございます。市民と直接接することの多い部署が把握した情報を生かして適切な支援につなげていくことができるよう、引き続き職員の意識の醸成と部署間の円滑な連携に努めてまいりたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、水道事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。





◯財政局長

初めに、収納対策の視点についてお答えいたします。市税や保険料、使用料などにつきましては、行政サービスを安定的かつ継続的に提供するための経費を市民の皆様に御負担いただくものでございます。したがいまして、これらの債権は、公平性の観点からも確実にお支払いをいただくことが原則であると考えてございます。しかしながら、債権回収のための差押え等によりまして生活が成り立たなくなるというようなことはあってはならないことでありまして、生活に困窮する方に対しましては、その状況を丁寧にお伺いし、必要に応じて納期の延期や債権放棄を行うなど、適切に対応を行っているところでございます。
 
次に、市税の収納状況等についてでございます。市税の収納率は年々向上してきておりまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、令和2年度は98.0%と、政令市の中でも高水準を保っているものと考えております。滞納者への対応につきましては、個々の事情に応じ、資力がある方には差押えなどの厳正な対応を行う一方で、生活困窮などにより資力がない方につきましては、納期の延期など徴収の緩和措置を取るほか、生活支援相談窓口を案内するなどの対応を行っているところでございます。





◯健康福祉局長

初めに、国民健康保険料の収納状況と滞納者への対応についてお答え申し上げます。本市では、令和3年度に収納対策室を創設するなど、効率的かつ効果的な収納体制の構築を図り、区役所、総合支所との連携も強化しながら収納対策に努めてきた結果、収納率は着実に向上しているものと認識をしております。滞納者への対応につきましては、その原因を丁寧に聞き取り、減免制度が適用となる場合には積極的に減免申請を促して、保険料負担額の低減を図ることはもとより、一括納付が困難な場合には分割による納付も認めるなど、滞納者の負担能力に応じた収納支援を行ってきたところでございます。また、御事情に応じて、生活自立・仕事相談センターわんすてっぷなど、各種相談窓口を御紹介するなど、滞納者に寄り添いながら丁寧な対応に努めてきております。
 
次に、国民健康保険料に係る賦課の適正化による収納率向上の取組の効果と評価についてでございます。国民健康保険料の収納対策を進める中で、低所得世帯や多人数世帯の収納率が低いという傾向があり、そのような世帯への保険料の負担軽減が課題となっておりました。そうした状況へ対応するため、平成26年度から一定基準の低所得世帯を対象とした本市独自の減免制度を導入するとともに、平成30年度からは18歳未満の子供がいる子育て世帯への減免制度を導入したところでございます。対象世帯の保険料を負担能力に見合った適正な賦課額に見直しを行ったこと等により、収納率は着実に向上しております。今後とも、国民健康保険制度の安定的な運営を前提としつつ、適切な賦課と個々の納付能力に応じた収納対策を講じてまいります。





◯都市整備局長

市営住宅家賃の収納状況等についてお答えをいたします。家賃の収納状況につきましては、コロナ禍の影響により、納入相談の件数も増加している中、一定の水準を維持しているものと考えております。滞納者への対応につきましては、納入が困難との相談を受けた場合には、資力に応じた分割納入や家賃、遅延損害金の減免措置を行い、個々の事情に応じて徴収停止や債権放棄を行っております。しかしながら、催告や相談勧奨にも応じず、滞納が長期に及んだ場合などには、差押えや建物明渡しの法的措置を行っております。
市営住宅入居者の特性を踏まえますと、初期滞納の時点から生活状況等の把握に努め、長期の滞納とならないよう、早期に関わっていくことが重要と考えておりまして、丁寧な対応に努めているところでございます。





◯教育長

私からは、学校給食費の収納状況等についてお答えいたします。令和2年度の給食費の収納率は98.8%となっておりまして、前年度と同程度となっております。未納者に対しましては督促状を発送し、それでも納付いただけない場合には電話、訪問などによる催告を行いますほか、未納者の方々の状況に応じて、納期限の延長ですとか、就学援助制度の御案内を行っているところでございます。





◯水道事業管理者

水道局における料金収納の状況等につきまして、お答えをいたします。水道料金の令和2年度の収納率は、お客様の御理解や減免制度の適切な運用などによりまして、99.6%と高い水準を維持することができたところでございます。未納対策といたしましては、文書による複数回にわたる納付勧奨や電話、訪問による催告を行い、それでもなお、特段の理由なく納付をいただけない場合には給水停止の措置を講じております。また、料金未納のまま転居された方については、その所在を速やかに把握し、訪問による集金なども行ってございます。なお、こうした一連の手続の中で、お客様から生活に困っている等のお話をお伺いした際には、福祉的な支援につながっていただけますよう、社会福祉協議会や仙台市生活自立・仕事相談センターわんすてっぷなどを御案内しているところでございます。





◯ふるくぼ和子議員

市長からは、収納対策において市民の生活をしっかりと考えることが大事だという認識の御答弁をいただきました。各局の皆さんからも、それぞれ頑張っているという趣旨の御答弁をいただいたというふうに一部受け止めておきたいと思います。
本市の収納率、御答弁があったように、いずれも他都市と比べて決して低い水準にはありません。そこで、市民の暮らしを支えるという点で、市ができることはまだまだその上であるということですので、幾つかの項目について、順次、具体に伺っていきたいと思います。

まず、国民健康保険料についてです。納付方法を拡大するなど、利便性の向上というのも非常に大事な一つのやり方だと思いますが、市のほうで三大独自減免と言っていらっしゃる低所得者減免だとか子育て世帯の減免、そして職権による所得激減の減免、この効果というのが大変大きいのだと思います。かつて、国民健康保険料、低所得者の皆さんに本当に重くのしかかってきていて、また、納付相談も差押えというのも大変厳しく、未納者の皆さんにペナルティーという形で短期保険証や資格証の発行も行ってきたんではないかと、こんなふうに認識をしていますが、現在の短期保険証、資格証明書の発行状況とか、その発行に対する考え方や対応について、まずお伺いをしたいと思います。





◯健康福祉局長

短期保険証と資格証明書につきましては、一定の所得がありながら納付について誠実な意思がない世帯に対し、納付折衝の機会を確保するために発行しておりますが、速やかに資力を把握し、滞納処分の可否を判断することが効率的であるなどの理由により、現在は極力発行を行わない方針としてございます。直近の令和4年5月末時点における発行数で申し上げますと、短期保険証は197世帯、資格証明書は発行自体を行っていないところでございまして、いずれも減少傾向にございます。





◯ふるくぼ和子議員

やっぱり納めたくても納められないというふうに生活に苦しんでいる市民の皆さんに納められるようにするということがとてもまず大事だということだと思いますし、ある意味、それも行政の大事な仕事だということだと思います。その点で、子育て世帯の減免、独自に拡充してきたことを大いに評価をしながらなんですが、18歳以下の子供に対する均等割分についてはもう一歩進めて、全額免除にしていくということが市の頑張りの方向として求められていると思うんですけれども、いかがでしょうか。これまで議会の中でも4200万円で可能だという試算も出してきていますが、これまで拡充を進めてきた健康福祉局にはさらなる拡充で頑張っていただくように求めたいと思いますけれども、お伺いをいたします。





◯健康福祉局長

本市におきましては、子育て世帯に係る保険料均等割の負担感軽減を図るため、令和四年度より本市独自の減免を最大五割に拡充したところでございます。さらなる負担の軽減につきましては、自治体の国保財政が厳しい状況にある中においては、国の財政負担の下、全国一律に措置されるべきものと認識をしてございます。引き続き、他の政令指定都市等と連携して、均等割軽減の対象年齢及び軽減割合の拡大を国に対し、求めてまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

国にも精いっぱい全力で求めていくということと同時に、仙台市でも独自でまた頑張れるということで、一層前に進むことを期待をしています。こういう国保における収納対策の取組というのは、本来、全市の中で貫かれるべきということで、ほかの部署においても、納めたくても納められない、こういう市民が納められるようにするにはどうしたらいいのかということについて、本当によく考えていただきたいなと思っています。
そこで、次に学校給食費についてお伺いをしたいと思いますが、御答弁の中で、いろいろと相談も応じながら就学援助制度も紹介をしていくという御答弁でした。現在の本市の給食費一食当たり、小学校で290円、中学校で345円、年間ではそれぞれおよそ5万5000円とか6万3000円という額になって、子供が複数いると本当に給食費だけで大変な負担となっています。この支払えていない世帯では、生活困窮というのも想定をされるんですけれども、そうした方がきちんとこの就学援助という制度に結びつくような支援がされているのか、この点を大変心配しております。今年度から就学援助制度の認定基準額が引き上げられましたので、大いに活用してもらうことがまず大事だと思いますが、この制度の現在の周知の方法と申請までの流れについてお伺いをしたいと思います。





◯教育長

就学援助制度につきましては、毎年四月に全ての児童生徒にお知らせを配布しておりまして、認定基準額を引き上げた今年度につきましては、今月も改めて周知をしたところでございます。就学援助の申請を希望する方は、学校に申し出ていただいて、申請書を学校から受け取り、必要事項を記載して学校に提出するという流れになります。なお、就学援助の認定要件の一つでございます児童扶養手当の受給者の方に対しては、この手当の申請の際に区の窓口で就学援助制度をお知らせし、申請書をお渡ししているというところでございます。





◯ふるくぼ和子議員

認定基準額が変わったことで、対象になるのか分からない場合もまずは申請をという、こういう言葉を今回のお知らせの文章の中には初めて入れてお配りをしたということで、それは一つ大事なことだと思います。しかし、今のお話では、申請書は基本的には学校に連絡をしないと手にすることはできないという関係になっています。
質問するに当たって、私、改めて調べてみたんですが、大阪市では学校で配布をしている就学援助制度のお知らせをお読みの上、挟み込みの申請書に必要事項を記入し、申請書類を添付して、通学あるいは通学予定の学校へ直接持参または送付により申請してくださいと、このようにしています。足立区、台東区、荒川区など、東京都内の多くの自治体では、小中学校に在籍する全ての児童生徒に、その在籍校を通じて申請書そのものをもう配布しているんですね。また、江戸川区などでは、就学援助費希望調査書というのを配布して、子供一人一人に必ず提出をというふうに求めている。渋谷区でも、就学援助の希望のありなしにかかわらず、申請書に必要事項を記入の上、お渡しした封筒に入れて提出してくださいということで全員の提出を求めていると。文部科学省も、これ、制度の調査をしているんですね。就学援助実施状況調査というのをやっていまして、教育委員会や学校から全児童生徒もしくは保護者に申請書を配布している自治体、これは2019年度で全国で628自治体にも上るんですね。
 教育委員会が、対象にならない場合もまずは申請をというふうにこの案内文に書いてあるわけですから、お知らせと一緒に申請書を届けるべきではないでしょうか。そのお知らせの案内文ですね。大変だと感じている人全てに申請書を出してもらって、対象になるかどうかは市のほうで計算をすればいいんですから、制度を拡充したこのときにこそ認識をさらに一歩進めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。申請書の全保護者への配布を求めますが、伺います。





◯教育長

申請書の全保護者への配布に関しましては、利便性の向上など、一定の効果があるものと考えられますことから、学校と調整をすることにはなりますけれども、検討を進めてまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

ぜひやってほしいと思います。それで実は今すぐしてほしいことが、申請書を配布しない自治体でも、多くがホームページで申請書をダウンロードできるようにしているんです。仙台市は残念ながらそれもないので、これは今すぐにやれることだし、やっていただきたいと思いますが、ホームページの申請書ダウンロード、入れませんか。





◯教育長

ホームページからのダウンロードについても検討していきたいと思います。





◯ふるくぼ和子議員

前向きに検討いただければいいんですけれども、もう一つ、給食費が未納になっている人には通知を出す、督促ということで、支払ってくださいという通知を出しています。その中に申請書を入れるということぐらいは、就学援助制度の趣旨からいってもこれは当然だと思うので、まずそこもやってほしいと思うんですけれども、それも検討と言わず、ぜひやるという御答弁を求めて、伺いたいと思います。





◯教育長

いろんな申請の手続がございます。保護者の方々が手続のしやすいようにという視点で様々できることがあるかと思いますので、そういった視点で取り組んでいきたいと思います。





◯ふるくぼ和子議員

ぜひ前へ進めていただきたいと思います。改めて、憲法の第26条には、義務教育は、これを無償とするというふうに書いてあるんですね。これはどういう意味なのかということを改めて御説明をいただきたいと思います。





◯教育長

憲法第26条第2項後段の、義務教育は、これを無償とする、これの意味でございますが、判例によりますと、国が義務教育を提供するにつき、有償としないことを定めており、授業料不徴収の意味と解するのが相当とされていると承知をしております。





◯ふるくぼ和子議員

大変狭い理解だと思います。義務教育は無償だというのは、保護者が負担する心配もなく、きちっと子供たちがひとしく教育を受ける権利を保障するということですから、そういう認識ではちょっと困るなということは指摘したいと思います。
学校給食が教育そのものだということについては、もはや当然の認識だと思います。市はこれまで食材費は保護者負担なんだという考え方に縛られてきたんですけれども、物価の高騰で不足する分、公費で出しますという今議会の提案で、公費は入れられないという呪縛からは解き放たれました。義務教育の無償の原則に基づいて給食費も無償になれば、そもそも未納問題というのは発生しないんです。食材費に公費投入するというふうにもうかじを切ったんですから、給食費は無償の方向に向かうべきなんだと教育長はお考えにはなりませんか。





◯教育長

本市におきましては、年間で約42億円を給食費として頂戴しているところでございまして、無償化にはこれに対応する財源の確保、これが非常に大きな課題であると考えておりますので、なかなか難しいものと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

憲法の理念に立って、給食費は無償の方向に向かうべきではないかとお伺いをしました。もう一度お願いします。





◯教育長

憲法の解釈については先ほど御答弁をしたとおりですけれども、給食費の無償化につきましては多額の予算の継続的な確保、そういったことで非常に課題が大きいと考えておりますので、現在の負担の区分といいますか、こういったものを原則とした形でお願いをしていきたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

市が自分で出すという立場に立つから、そういう答弁なるのかなと思うんですけれども、本来これを真っすぐに政府が実行してくれれば給食費の支払いという概念自体がなくなるんだと思うんです。だから、せめて教育は無償なんだというこの立場で、教育行政を進められるべきだと指摘をして求めておきたいと思います。
 次に、市営住宅の家賃について伺いたいと思います。
 減免の申請も皆さんにということで御答弁がありました。昨年の決算等審査特別委員会では、嵯峨議員が市営住宅入居者のうち6104世帯が減免に相当する可能性があるというのに対して、実際に減免しているのが1581世帯で、25.8%にとどまっているんだということを指摘して、減免申請の拡大を求めました。この点で、今年度改善した、あるいは予定しているということがあれば、まずお知らせいただきたいと思います。





◯都市整備局長

減免申請の拡大に向けた改善点につきましては、今年度、減免適用が見込まれる世帯のうち、これまで減免申請を行っていない世帯に対しまして、制度に対する案内を個別に送付いたしたところでございます。また、今年度より、夏冬の年2回、市営住宅の全世帯に配布する広報誌「せんだい市営住宅だより」において減免制度の概要を掲載することとしておりまして、分かりやすい文面や文字の大きさなどに工夫を凝らしながら、制度について御理解をいただけるようお知らせしてまいります。





◯ふるくぼ和子議員

制度の案内を送ったということなんですが、復興公営住宅では所得月額8万円以下の世帯には減免申請書を送って申請を促しているということですから、市営住宅においても入居者に減免申請を知らせるというだけではなくて、減免に相当する可能性のある政令月収0円から10万4000円の収入分位一という、この世帯の皆さんには申請書も届けて働きかけを行うということが大事なんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。生活に困難を抱えている可能性のある市民への対応ということになるのですから、直ちに実施するべきだと思いますが、お伺いをいたします。





◯都市整備局長

市営住宅の家賃減免につきましては、非課税収入を含め、収入月額7万7000円以下の世帯が対象となります。御指摘のございました収入分位一の世帯の皆様にも申請書を送付した場合、明らかに対象とならない世帯に対しましても申請書を送付することとなり、誤解を与えることも考えられますことから、申請書の事前送付につきましては前年度に減免適用となった世帯に対して行っているところでございます。





◯ふるくぼ和子議員

そもそも、おっしゃっているように、家賃算定の際に市は分かるんですよね。把握できるんです。だから、そういう対象の方にだけでも申請書を出してもらうという、申請書を送って、ちゃんと出してもらうということをできると思うんですね。むしろ、そういう施策ということで活用すべきだと思います。
今後、管理開始から11年目以降の復興公営住宅の家賃減免、市営住宅の制度に統合されますが、復興公営住宅で家賃の上がる世帯が700世帯と想定されています。最大5年の激変緩和措置を行うというんですけれども、継続して住み続けている市民の住環境は何一つ変わらないんですから、これはどの階層においても家賃が上がらない仕組みにすべきではないかと思いますが、伺います。





◯都市整備局長

復興公営住宅の減免制度につきましては、建物管理開始後10年をもって国の東日本大震災特別家賃低減事業が終了となりますことから、所得が低い世帯に対して、一般の市営住宅の減免制度を適用することにより負担軽減を図ることとしたものでございます。このことにより、家賃負担が増加する世帯が生じることが見込まれますが、一般の市営住宅にお住まいの方との公平性の観点から、やむを得ないものと考えております。現在実施している説明会におきましては、制度について御理解いただけるよう、分かりやすい説明に努めますとともに、個別に御相談があった際には、御相談者の事情に寄り添った丁寧な対応に努めてまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

やはり市営住宅の役割だとか、果たすべき機能をしっかりと認識した上で、市民生活を支えてこそです。市民が不利益となるような事態をつくるべきではないと、ここは重ねて指摘をしておきたいと思います。
ここで、差押えについても確認をしたいと思います。差押えの対象というのはいろいろあると思うんですけれども、給与だとか年金収入などの銀行口座、この現金差押えには明確なルールというのがあると思いますが、まずはお示しをいただきたいと思います。





◯財政局長

国税徴収法等におきまして、給与や年金が振り込まれる銀行口座の差押えに当たりましては、生活に必要な資金を除くことと定められているところでございます。





◯ふるくぼ和子議員

国税徴収法の基本通達でも、生計や事業に与える影響が少ないことを考慮しなければならないと定めています。給与や年金が振り込まれている口座から生計に必要な分まで差し押さえるようなことは絶対にあってはなりませんが、こうした考え方が市においてちゃんときちんと徹底されているのか、お聞きをするとともに、再点検の上、行わない取組とするように求めますけれども、いかがでしょうか。





◯財政局長

本市におけます差押えの実施に当たりましては、生活状況等を十分に調査し、法令等の基準に従いまして生計への大きな影響を及ぼさないよう対応しているところでございます。今後とも適正な差押えを執行するため、法令遵守の徹底を図ってまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

次に、水道料についても伺いたいと思います。
水道は命の維持に欠かせないだけに、未納による給水停止、これは簡単に行ってよいものではありませんけれども、御認識はいかがでしょうか。給水停止に至るまでの流れと対応についても改めてお伺いをいたします。





◯水道事業管理者

水道は、市民の皆様の暮らしに欠かせない重要なライフラインであり、給水の停止は慎重な手続と判断の下で行うべきものであると認識をいたしております。そこに至るまでの対応でございますが、納期限までに料金の支払いがなかった方につきまして、まずは督促状を郵送させていただき、それでも納付がない場合には催告書を計三回にわたりお送りしております。また、そうした通知と並行して電話や訪問による納付勧奨も行っております。これら手続を三か月程度にわたって進めた上で、それでもなおお支払いがなく、なおかつ御相談もいただけなかった方については、お客様全体の公平性を確保する観点から、条例に基づき、やむを得ない措置として給水を停止する、このようなことといたしております。





◯ふるくぼ和子議員

いろいろやっているということなんですけれども、水道局の職員の皆さんがこの市民の皆さんの生活実態をどこまで具体的に把握して生活再建の支援をしているのかという、この問題だと思うんです。2020年には、大阪市で68歳と42歳の母と娘が餓死した事例が報じられましたが、料金滞納で水道などのライフラインが止まったまま餓死、孤独死する事例というのが全国で問題になりました。これを受けて調査をした毎日新聞が、全国20政令都市のうち、水道局の滞納者の情報を市の福祉部局と共有しているのは京都市と岡山市だけだったと、昨年の3月に報じています。水道局でも、委託業者に任せるだけではなくて、直接訪問して状況を自ら把握して、福祉部局と情報共有して市民の生活支援をする、こういう対応が求められていると思いますけれども、いかがでしょうか、伺います。





◯水道事業管理者

収納業務や窓口業務につきましては民間事業者に委託をしておりますが、その中で生活に困窮される方がおいでになった際は、局の職員が報告を受けまして、生活状況が深刻であると思われる場合には福祉部門へ直接情報を提供すると、このような取扱いに改めてございます。また、本年二月からは、急に支払い状況が悪化した方について、お困り事がないかをこちらからお尋ねする新たな取組も開始したところでございます。今後ともお客様のお話を丁寧にお伺いし、必要な場合には福祉の相談窓口等について、より分かりやすい情報提供を行うなど、個々の事情に応じた適切かつ柔軟な対応に努めてまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

滞納は市民からの大事なシグナルなんだという、こうした認識をこれは全市で持っていただきたいと強く求めるところです。それぞれの部署が、福祉の窓口だとか、わんすてっぷを紹介していると言って、自立相談支援事業を受けているわんすてっぷの皆さん、本当に頼もしく、寄り添った支援をしてくださっていると私も思いますけれども、この紹介をした市の窓口がどこまで制度を理解して紹介しているのか、紹介した後、制度活用につながっているのか、これは誰も責任を負っていないというのが現状なんだと思うんです。総括の質問の一問目のところで、生活困窮者自立支援法に基づいて生活困窮者自立支援連絡会議を設置していると、市長からも御答弁をいただきました。この会議について、改めてその概要と参画部署についてお示しをいただきたいと思います。





◯健康福祉局長

生活困窮者に対する自立の支援に関する関係部署の情報共有及び連絡調整を図り、それによって生活困窮者の早期把握と包括的な支援を行うということを目的として、生活困窮者自立支援法に基づき、仙台市生活困窮者自立支援連絡会議を設置しているところでございます。参画している部署は、障害者や高齢者の支援担当課、子育て支援や教育の担当課、各区生活保護担当課などに加え、市民税等の徴収担当課や、水道、ガス、市営住宅、国民健康保険、介護保険といった徴収収納に関わる部署となっております。





◯ふるくぼ和子議員

紹介いただいたように、本市でその各種収納を担当する部署が全て参加をしている。伺ったところ、年に一回の定例会議のほかに、個別事例についても協議を行うケース支援検討会議というのを委員の必要に応じて開催ができるという立てつけになっていました。では、このケース支援検討会議、どのようなケースを取り扱っているのか。水道局や市営住宅の家賃あるいは給食費の滞納など、シグナルとして捉えて検討された事例というのはあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。





◯健康福祉局長

ケース支援検討会議においては様々な事例を取り扱ってございますが、滞納状況をきっかけに検討した事例といたしましては、市営住宅の家賃滞納情報を基に、その世帯員の抱える病気やDVなどの問題に対する支援について検討したものがございます。





◯ふるくぼ和子議員

それだけということでしょうか、確認します。





◯健康福祉局長

この会議につきましては、様々なケースがございまして、守秘義務の関係もあるし、なかなか言えない部分がございますけれども、先ほど申し上げたのが滞納を機とした事例でございますが、それ以外にも世帯員の様々な状況を各窓口の担当課のほうでつかんだものをベースに世帯全体の支援を行うという方向に向かっている例はございます。





◯ふるくぼ和子議員

私、これは大事な役割を担っているんだと思うんです。具体的に事例を検討することができるということですから、本当に大事な役割だと思います。
そこで、市長に最後にもお伺いをしたいと思いますが、せっかくこの市民の暮らしに寄り添い、支える、この取組ができる仕組みというのがあるんですから、もっとこの位置づけを高めて、位置づけを明確にして機能させるとともに、充実を図って大いに活用するべきではないでしょうか。また、大事なのは、納めたくても納められないでいる市民の滞納を生活に困窮しているSOSのシグナルなんだと捉えられるのか、そして、捉えたらどうやって支援するのか、そのための制度をどうやってつくるのか、こうしたことを真剣に市を挙げて考えることだと思うんですね。課ごとのアンテナ力を高めて、全庁的な取組となるように、市民の生活を支える収納対策にもっと具体的に知恵を絞っていただきたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。





◯市長

生活に困窮する世帯というのは、経済的な問題に加えまして、疾病ですとか家族関係など、複雑で多様な課題を抱えていることが多く、市民の方と直接接する窓口や現場で得られた情報というのは困窮者支援の契機になり得る重要なものであると認識をしております。これまでも、庁内に連携の仕組みを周知してまいりましたけれども、引き続き職員の意識に浸透させるとともに、収納等の場面におきましても、職員一人一人が市民に寄り添った対応を行い、各種の連絡組織も活用しながら、部署間の連携がより緊密に図られるように取組を進めてまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

今回取り上げさせていただいた以外にも、保育料だとか児童クラブ利用料だとか、介護保険料、後期高齢者医療保険料、ガス料金だとか、収納に関わる業務というのは本当に文字どおり全庁で行われていると思います。収納業務に関わっていらっしゃる職員の一人一人が生活に困っている方の支援を常に念頭に日々の業務が行われる市政となることを頑張っていただきたいということにエールを送りながら、重ねて求めて、一般質問を終わります。ありがとうございました。


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